少年魔術師、少女剣士と成り上がる(202309改稿)

 ♦️ ♦️ ♦️


「今だサーニャ!」


「はいっ、アルさん!」


 ウンコ・・・紋様の魔法陣で、

 威力を跳ね上げたアルの付与魔法。


 それにより強化された彼女の一撃が、

 ドラゴンの首を斬り落とす!


 ズシイイイイン!と、

 ダンジョン全体を揺るがすような地響きとともに、

 その巨体は沈んだ。


「やった!

 やりましたアルさん!」


「すごいよサーニャ!

 こんな大きな敵を一太刀で!」


「そんな・・・、

 みんなアルさんのおかげです。

 わたし1人だったらとても・・・」


「そんな事ない、

 僕のウン・・・、

 この魔法陣をサーニャが受け入れてくれたからだよ」


「そんなの仲間なら当然です。

 それにその魔法陣、

 すごい威力じゃないですか。

 ドラゴンを倒せたのはアルさんの力です!」


「いやそんな・・・、

 それを言うならサーニャの剣術があればこそ・・・」


「いえそんな・・・、

 それこそアルさんの魔法がなかったら・・・」


「・・・」


「・・・」


「・・・ふっ」


「ふふっ」


「「あっはっは!」」


 ダンジョンの中であるにもかかわらず、

 二人はつい笑いだしてしまった。


「そうだね。

 これは、二人の勝利だ!」


「はいっ!

 わたし達パーティーの勝利です!」



 ♦ ♦ ♦


 「おい聞いたか?

 あのアル達のパーティー・・・」


「ああ、

 また高難易度の依頼を達成したらしいな」


「オイオイオイ、

 これで何度目だよ」


「ついこの前までは、

 クリス達にお荷物扱いされていたのにな」


「いや、

 そもそもそれがおかしかったんだよ」


「力を発揮できる真の仲間を見つけた、

 ってことか?」


「そうそう。

 ま、なんにせよ大しただぜ」


「だよな。

 頑張ってたもんな、あいつら」


 

 そんな風に周りの冒険者達に見直され、

 ギルドでも一目置かれるようになったアル達のパーティー。


 アルに助けられた少女サーニャも、

 自分を囮にして逃げた連中にはさっさと三行半みくだりはんを突き付け、

 今では剣士としてアルの立派な相棒だ。

 

 サーニャは初めから、

 アルの魔法陣について何の抵抗もなかった。


 アルが人前でそれを出そうと、

 まったく気にしなかった。


(でも・・・)

 ただ一つだけ、

 サーニャは気になっていた。


(あの魔法陣のウン・・・とぐろ、

 毎回微妙に紋様が変化している気がするんですよね・・・)


 まるで・・・そう、


 背中を向けていた蛇が、

 少しずつこちらを向いてきているような・・・。


【つづく】



 _____________________




『君』は読み進める……。


(いい具合に成りあがってきたな。


 これはそろそろ……。



 ――とりあえず、

『応援ボタン』や『コメント』で評価くらいはしてやるか。


 読んだ以上、それくらいはしなければな。


 ありがたく思えよ、作者……)

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