詩「よざくらの孤独」

有原野分

よざくらの孤独

よざくらの孤独は

屋台の光をあざけるように

嫌いなあの子の時間を固定する


初恋だったかもしれない

ただ その当時ぼくは

彼女を孤独な人だと思っていた


思い出は残酷だ

鏡の中は老けてくのに

きみは一向に若いままで


今年も春が巡ってきた

暮石が夜の暗闇に濡れる

よざくらの季節だ


会いたい

ふと夢で見るように

わたしは今でもきみを想う

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩「よざくらの孤独」 有原野分 @yujiarihara

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ