フレームの中の青空

ta-KC

第1話 ある日

「うん!やっぱり君は絵になるね」

指を四角くフレームのように組み彼を見る

その横顔はこちらに向き

「またやってる、そんな絵になるような人間じゃないよ!僕は!」

そうやって笑う

うん、やっぱり絵になる

彼がいればどんな場所も私にとっては

映画のワンシーンや絵画の一瞬になる

つい顔が緩む

幸せって多分このことなんだろう

そんな気がする

そしていつまでも続いてほしいと

心から願う

「ん?どうしたの?」

「え?」

「なんかちょっと考えてるみたいだったからさ」

「なんでもない!」

そう言って彼の右腕に飛びついた

「あ!?ほら!あぶないよ」

そういって優しく抱きとめてくれる

「手、つなご?」

彼の顔を見ながら告げる

「うん、いいよ」

そういって手を引き寄せてあたたかく包んでくれる

そして寒くなってきた河川敷の空気にさらされながらも

二人で歩く

何でもない休日・・・

何でもない日常・・・

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