テテテテテテンキュー

第1話

“ガキの頃にお世話になった恩返しが少しだけできました”

以前、プロボクサー時代の後輩山ちゃんにある頼み事をした。

頼み事を聞いて、すぐやってくれた事にお礼のメールを送ったら上記のような返信が。

カッコいい～！

ドラマなどで聞いた事のあるセリフ。その後輩は、２０数年前にプロボクサーとして所属していたジムでの後輩。

初めて出会ったのは、その後輩が見学だったか入門だったか忘れたけれど強烈なインパクトだった。

まさに鬼ゾリ。

そのソリコミは頭頂部に到達せんばかりだった。

え？鬼？コイツ、角生えてんの？

その後輩を見た、私の第一印象。

目付きもめっぽう悪く、いかにも不良！って感じだった。

そんなヤツは大体が初めてのスパーリングでボディーを殴られて一口ゲロ吐いてジムに来なくなる。で、それでもくらいついて残ったヤツがプロになる。

山ちゃんもプロまで残った。

あれから年月が流れ更生して、今や一国一城の主。

私が２２歳で引退しジムを去ってからは会ってなく、電話でのやり取りだけだけれど、すごく丁寧な言葉遣いで会話する。

立派になったものだ・・・

なんか親心ではないけれど嬉しかった。いつ突然電話しても、面倒臭がらず丁寧に応対してくれる。ほんの御礼にと思い香川でも有名な店のうどんを送ってあげようとネットで注文。

気心の知れた間柄なので、遊び心をと思い少し悪ふざけ。

のしの名前に“山ちゃんceo”。

そして、一言メッセージの所に“山ちゃんテテテテテテンキュー”と入力。確定ボタンをクリックして送信。

翌日。

妻から私の携帯に電話が入った。

「アンタ、頼むわ！もう、私恥ずかし～て、恥ずかし～て！」

妻が笑いながら私に言った。

聞くと、うどん屋から確認の為に、のしの宛名とメッセージを復唱されたとの事。

「あの～お客様、このテはテテテテと・・６文字入れれば・・・・いいんでしょうか？それと・・サンキューじゃなく、・・・・テンキューでいいんでしょうか？」

店の人は笑いをこらえ、言葉に詰まりながら妻に確認していたらしい。

結局、メッセージはやめにして宛名も普通にしたらしい。

「アンタ、もうエエ年なんやから頼むわ！」

妻から笑いながら釘を刺された。にしても、上記のセリフ。

カッコいいな～。

私もいつか使ってみたい。

ガキの頃・・・

なんやったっけ、山ちゃん？(笑)

いつもアドバイスありがとう！