第11話 バスケ
ピーと笛が鳴る。
キュッ。キュッ。キュッ。
上履きと床が擦れる音が鳴り響いていた。
「パス!!」
「行けッ!西嶌!」
「おぅ!」
バンッ!
西嶌が見事にダンクシュートを決めた。Aチームでハイタッチが起こる。僕はさらーと混ざりハイタッチをする。
──な、なにもやってない。
ピーとまた試合が始まった。
すると………
「椎名っ!」
「うぇっ!ぼ、僕!?」
西嶌が僕にパスをした。
前にはもう相手がふさがっており、パスも前にも出れない。
──なら、もう。思いきってっ!
バンッ!
僕が投げたボールはきれいな放物線を描いてネットに吸い込まれ、スリーポイントシュートが決まった。
──え。入った。嘘でしょ。
「スイ!すげーな!」と西嶌が駆け寄ってくれた。
「にしじまぁ~」と安心安全の西嶌の腰に抱きつきながらほっと一息ついた。
すると、西嶌につられるようにクラスメートたちも、「椎名すげぇー」など言ってくれた。
※
「は~、疲れた。」
「スイ、どうやったン?」
「あのシュート?」
「うん。」
「まぐれ、まぐれ。」
「うそだぁー。お前まさか超能力とかあるだろ。」
「ない。ない。」と西嶌に言いつつも、内心は『あったらいいな~』と思うばかりだ。
「へへへ」
「おい椎名。笑ってるぞ。」
「へ?」
──あったらいいな~としか思ってないのに、なんで!?
「椎名さ、運動神経悪くないんだから。もったいないよ。」
「………西嶌」
「ん?なんだ。」
「僕も、運動神経いいって今日、確信したよ!」
「よかったな。でも、授業に遅刻してるからプラマイゼロな。」
「そうだったーー!」
僕は頭を抱え、叫ぶ。心のなかで。
※
2、3、4限とも遅刻せずに、2分前には席につくようにした。そのため、1限目以外は平和だった。だが、その間の休憩の時間には毎回イチが僕の前に来て『今日の夜ご飯なに?』『カレーがいい。』『スイ作って』など家庭内の話をしてきた。
一息ついて、お昼休憩。
廊下が賑やかだ。何があったのか気になったが、眠すぎて体が動きそうにない。
すると。次は僕のクラスが賑やかになった。
「あのー!水くん!」
「へ?」
──あっ。あーーーーー!
冷や汗が止まらない。周りからのざわざわと痛い視線。
「ご、ごめん。怒ってる?」
「そりゃ怒ってるよ!忘れてたでしょ!」
「ごめん。ごめん。本当にごめん。」
すると。姫之川ファンクラブ会長で僕のクラスメートの
「すみません。菅江くん。」
「椎名!姫之川様との約束をしていることもギルティだが、それを忘れるのはもっとギルティーーーーーーだ!」
「は、はひぃ。」
すると、パチンと手をたたき瑠璃さんが「もう謝ってもらったから、ほら、菅江くん。もうこれくらいにして。」
「きゃーー!姫之川様に、な・ま・え呼んでもらったーー!きゃーー!」と菅江くんのキャラが変わる。そして、僕に「椎名ッ。しく。ありがとさん。キラーン」と涙をこらえながら歯を見せてお礼をしてきたのだ。
「はーい!水くんお昼食べにいこっ!」
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最近あとがきが増えてしまってすみません。作者です。
急ですが謝辞です。
この作品を読んでくださったかた、本当にありがとうございます。
PVも1000を超えとてもテンションが上がっています。
そして、何よりも
この小説を描いて、初めてラブコメのランキングに載ったときは順位が844位でした。
そして、読者の皆さんに読んでもらい、今では順位が336位まで上がりました。
この順位になれたのも読者の皆さんのおかげです。
なので、これからもこの作品をもっと順位を上げるために頑張りますのでよろしくお願いします。
この作品が気に入ってもらえたら、ブックマートや星、♡で反応してもらえると幸いです。
鈴柳飛
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