俺も勇者に転生したかった。でも、現実は・・・

阿々 亜

プロローグ

友達がいない...

彼には友達がいなかった。

彼は昔から、人と会話するのが苦手だった。

決して人と会話するのが嫌いではなかった。

だが、何をどう話せばいいのかわからず、ついつい人と会話することから逃げてしまっていた。

小学校、中学校と友達がなかなかできなかった。

この春から、彼は高校に通い始めた。

高校デビューというわけではないが、新たな環境で今度こそ友達をたくさん作ろうと頑張った。

しかし、頑張れば頑張るほど空回り、やはり友達ができなかった。

そんなある日のことである。

彼は交通事故にあった。

即死ではなかったが、重体であった。

薄れ行く意識の中で、彼は死を覚悟した。

そして、彼は願った。

もし生まれ変わったら、今度こそたくさん友達が欲しい。

彼は病院に搬送されたあと、程なく息をひきとった。

そして、彼は生まれ変わった。

異世界に....

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