スーパー公務員☆
塚本タカヲ
第1話 「幸子」
私はスーパー公務員。窓口のエキスパート。
私の手にかかれば、どんな市民の名前でも、これまでに培った経験と勘により、間違えることなく読み当ててみせる。
今日も窓口当番だ。
最初にやってきた女性の名前は「幸子」さん。70代後半の後期高齢者だ。
読み方は……ズバリ「サチコ」だ!
見事正解!私の実力をもってすれば当然のことだ。
今日は金曜日。週末の窓口は混雑する。
次に対応した女性も「幸子」さん。今度は30代半ばの主婦だ。
ならば今度は……「ユキコ」だ!
これも見事正解!私くらいになれば何も驚くことではない。
11時過ぎにやってきた女性も「幸子」さんだった。「幸子」という名前は本当に多い。この女性はアラフィフだ。
であれば今度は……「サチコ」だ!
え?違う!?弘法にも筆の誤り。ごくまれにはこんなこともある。
「失礼しました。ユキコさんでしたか」
「え??それも違います!?」
その女性は「コウコ」さんだった。名前の読み方は奥が深い……。
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