レオナルドと小中学生、高校生たちの署名活動


 レオナルドはロンドン警察署で、睦月の妻弥生に「0~18歳までの息子や娘を持つ親と、他者を殴り蹴ったことのある成人の交際と同居・再婚を解消して亡くなる子を減らす新法を作るために、通りや広場で署名活動をしたいんです」と言った。

 「署名が集まったら、どうするの?」と弥生に聞かれ「ロンドン議会に持って行き、議員に見てもらいます」と答える。弥生は「子どもが殴られたり、蹴られて亡くなる事件が多いもんね」と言い、40枚の署名用紙を机の中から出してレオナルドに渡した。

 「足りなくなったら言って。通りや広場で渡すから」「ありがとうございます、弥生さん!」レオナルドは署名用紙を持ち、40人の小中学生や高校生たちと通りへ向かった。


 「子どもを持つ親と他者に暴行をする成人の交際・同居・再婚を解消し、亡くなる子を減らす新法を作るために署名活動をしています!」レオナルドが呼びかけると、フレッドとジェイク、タカユキがやってきて用紙に名前を書いた。

 「ありがとうございます!」「昼になったらロンドン警察署で抹茶淹れるから、飲みに来て」「はい!」

 「弥生さん、署名用紙が足りないです!」「足りなくなった?200人行くかもね」通りでの見回りを終えた弥生は署名用紙60枚をレオナルドとベージュのダウンコートを着た女子高校生に渡す。亮介や美月、睦月たちも名前を書き、200人の署名が集まった。


 

 ―――昼12時。タカユキが湯気の立つ抹茶をカップに入れ、レオナルドたちに渡した。「封筒がパンパンやな」「はい。ロンドン議会に持って行きます」レオナルドは冬山幸一が作った豆腐とわかめ入りのみそ汁を食べ終えて抹茶を飲み、賢哉の愛犬ポピーに笑みを見せた。

 午後2時にロンドン議会に行き、『0~18歳までの子どもを持つ親と、他者に暴行をする成人の交際と同居・再婚解消の法作り』と書かれた封筒を男性議員に渡す。議員たちは200枚の署名用紙に驚きながら、3日間かけて議論をした。


 

 「レオナルドたちが出した署名が、『子どもが『嫌だ』と言ったらすぐに親と交際相手を別れさせ、ロンドン警察署やラジオ局などで保護する』という文を加えた新法になったらしい」カフェ&バーで睦月が『酔っ払いは入らないで!』と書かれた看板を店の前に出しながら陽太とローズ、フランクに言った。

 「レオナルド、嬉しそうな顔してたわね」ローズがレモネードを飲み言うと、「弥生さんやチェリーたちも驚いてたな」とフランクと陽太がソーセージとハム入りのサンドウィッチをかじりながら答えた。

 

 「SNSで誘拐された経験を持つ女子中学生や高校生たちが、『SNS新聞』を作り始めたの」「今朝の放送でも話してたな。誘拐が多い」陽太が小声で言い、ため息をついた。


       



 

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