コロ

ももいくれあ

第1話

象みたいな足なんだね。

でも、小っちゃくて、毛むくじゃらで、

右へ行ったり、左を見たり、

ほんとは何処に行きたいの

いつも一緒に歩いていたのに、

今日までこうして歩いてきたのに、

突然走り出すなんて、

自分だけ先に行くなんて、

そんなのズルイよ。

どこにいるのー

でておいでー

おいてかないでー

叫び続けた。

響いていた。

谷の底から返ってきた。

でも、戻っては来なかった。

いつまでたっでも帰って来ない。

きっと、そう決めたんだね。

いつの日にか見かけても、

もう、声はかけないよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コロ ももいくれあ @Kureamomoi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説