第161話 すき焼きパーティの準備
土曜の昼は、すき焼きパーティだ!
ゲイツ様とサリンジャーさん以外は、招待状を前に配達して貰っている。
パーシバルは、直接手渡ししたよ。サリエス卿とユージーヌ卿にも、結婚式で渡した。
あとは騎士コースの4人、魔法使いコースの2人、錬金術クラブメンバー! 騎士コースと魔法使いコースの人たちには、メアリーとキャリーに招待状を配って貰い、全員から出席の返事が届いている。
錬金術クラブメンバーの4人は、クラブで直接手渡しして、即出席の返事を貰った。
さて、問題は
「土曜の朝に帰って、昼のパーティの準備をするしかなさそうですの。用意はエバがしてくれますけど、もう少し
パーシバルも、土曜の朝の運動を済ませてから、家に帰ると言ってくれた。
「ペイシェンス様、ゲイツ様に乗馬訓練をして貰ってから、凄く上達しましたね」
まぁ、乗り降りもできるようになったし、前みたいにお尻を打つ事も少なくなった。
「まだまだだと
とほほな気分だけど、朝の乗馬が前よりは負担にならなくなった。
それに、二人乗りもするけど、私だけで
その間、パーシバルは他のスレイプニルが人を乗せる練習につきあっているんだ。
デーン王国の騎士は、スレイプニルを慣らすのがやはり上手だ。
ローレンス王国の騎士は、スレイプニルに乗るのが初めてだからね。
「ブヒヒン!」速く走りたいと
まだ私では、全力疾走はできないみたい。
土曜の朝も、よぉく言い聞かせて、メアリーと屋敷に帰る。
「ブヒヒン!」キャロットケーキを気に入ったみたいだから、お土産を約束したんだけどね。
掃除や飾り付け、そしてエバは昼食会の用意はしてくれていた。
「卵は、今朝産みたてのを届けて貰いました。かなり高かったですよ」
それに「綺麗になれ!」と丁寧に掛けておく。ローレンス王国では生卵を食べる習慣は無いけど、すき焼きには生卵! なんだよ。
他の人は、小さな白いボールに入れて出して、鍋の中に入れて火を通しても良い。
私は、生卵を溶いたのに肉を浸けて食べたいけどね。
「まだチョコは作って欲しいそうよ。そろそろ、高級なチョコレートも作って欲しいけど」
私的には、錬金術クラブで火曜に滑らかにする内職は一瞬で終わるから、負担はないから良いけど、これは毎週エバも迷惑じゃないかな? と思うのだ。
「チョコレート作りは楽しいです。それに、過分な報酬まで頂いて!」
いや、荒稼ぎになっているから、良いんだよ。収穫祭のボーナス、エバには多くあげたんだ。
「滑らかになれ!」
チョコレートを滑らかにしたら、後は任せるのだけど、今日は少しだけ新しいチョコを考えているんだ。
朝食の後、弟達と温室のいちごを籠にいっぱい採る。
「これは、昼食会のデザートですか?」
ナシウスに訊かれたけど、半分正解で、半分間違いだ。
「すき焼きは、甘じょっぱい濃い味ですから、デザートはいちごで口をサッパリさせたら良いと思うの。でも、半分は新作チョコに使うのよ」
フレッシュいちごのチョコレート掛け! 日持ちはしないけど、好きだったんだ。
ホワイトチョコレートができたら、フリーズドライいちごにコーティングしたいな。
普通のチョコレートでも、良いのかもしれないけど、私的にはフリーズドライいちごはホワイトチョコなんだ。
「お嬢様、魔物の肉がもの凄く沢山届いていますが……食べ切れるでしょうか? それに、冷凍庫に入りません」
いちごの籠を台所に持って行ったら、エバに質問された。
「えっ、そんなに?」
まぁ、かなり討伐したよね! パントリーには入りきらないから、洗濯場に棚を作って置いてある。
今年はとても寒いから、冷蔵庫と同じ位の温度だけど、これは多すぎるよ!
それに冷凍庫も満杯だ。もっと大きいのが必要だね。
金属の箱を作って、簡易冷凍庫を作らなきゃ! 春まで食べたいからね。
日曜は、冷凍庫作りかも? 魔石はいっぱいあるから、冷凍庫、大きくても大丈夫だろうけど……工房が狭いかも? 洗濯場に錬金窯を運んで作ろうかな?
「大きな冷凍庫を作るけど、親戚にもお裾分けしましょう。それと孤児院にも寄付します。後、保存できるようにハムに加工して貰ってね」
エバに任せておけば大丈夫だろうけど、ビッグバードの骨は少し残して貰うよ。
冬休みにラーメンを作って食べたいから! これは、まだレシピを考え中。
エバに、焼き鳥と焼豚と醤油味の唐揚げ、しゃぶしゃぶ、オイルフォンデュのレシピも渡しておく。
「この醤油味の唐揚げは、カルディナ街の茶店で一個頂きました。とても美味しかったですわ」
やはり、色々と食べて味を覚えて貰わないとね!
魔石は届いたけど、毛皮はまだ届いていない。加工して届けて貰うからだ。
「
昼食会用のドレスに着替えながら、メアリーに訊ねる。
毛皮のコートって、有閑マダムっぽいイメージがあるんだよね。
「
メアリーも同じ考えみたい。
「ふぅ、ならケープぐらいなら?」
それなら、社交界デビューの時、ドレスの上に羽織るのに相応しいと頷く。
「どの程度の量かはわかりませんが、もしロングコートを仕立てられる程あるなら、結婚した後に着たら良いのです。それなら、パーシバル様の奥方として相応しいですわ」
メアリーが夢想しているけど、これは伯母様方に相談しよう。
結婚する時も、まだ17歳なんだもん。
それと、マリーとモリーを呼んで、制服の生地で乗馬服を縫うように頼む。
「下のキュロットスカートは、横にボタンではなくて、ジッパーをつけたいの。ジッパーは後で渡すわ」
ジッパーも日曜に作らなきゃね!
今日は、新しく縫って貰ったアイスブルーのドレスだ。
シンプルなストンとした形だけど、セーラーカラーにして、ローウエストからはプリーツにしてある。
濃い紺の縞模様を裾に2段縫ってあるのが、良いアクセントになっているし、セーラーカラーも濃い紺色で縁取っている。
これに白の絹のストッキング。少しだけヒールのある白色のショートブーツを履くと可愛い。
でも、今回は家の中だから、ショートブーツは履かない。
綺麗な濃紺の靴を履くよ! 皮を鮮やかな色に染めたのを、バーンズ商会に渡して、靴を作ってもらったのが、やっと届いたんだよね。
髪の毛は、アイスブルーのリボンを編み込んで貰って、いつもより凝った髪型にしてある。
昼食会だから、11時にしてある。ナシウスとヘンリーも新しい服に着替えている。
「2人とも、とてもよく似合っているわ」
ああ、
応接室には、暖炉に火がついてて、とても暖かい。
ゆっくりと弟達と話す。
「スレイプニルは8本脚なのですか? 図書室の本には、デーン王国で飼われているスレイプニルは6本脚だと書いてありました」
ナシウス、本当にすごい! 調べたんだね。
「ええ、元々は8本脚だったのに、野生の馬と交配をするうちに6本脚が多くなったの」
ヘンリーは、お尻がむずむずしている。
「乗ってみたいです!」
ああ、そう言いそうだったのだ。
「冬休み、モラン伯爵領まで付いて来そうだから、その時は乗せて貰うと良いわ」
パッと顔を綻ばせる。
「えっ、冬休みにモラン伯爵領まで行くのですか?」
ナシウスやヘンリーには言って無かったかな?
「ええ、
2人とも喜んで頷く。ああ、本当にもっと話す時間を持たないといけないね。
お客様が来られるまで、3人でゆっくりと話し合って過ごした。父親は、書斎で読書だよ! ブレないね!
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