第3話 思い出と急展開


初配信の夜、佳は久々に夢を見た。




当時12歳、小学校6年生の佳は友達と一緒にゲームをすることが一番の楽しみだった。


一緒に力を合わせ強い敵を倒したり、一緒に家を作ったり...一緒にやることで一人でやると飽きることも何時間も楽しめた。


そんな佳が中学校に入ったときぐらいからだんだんと遊ぶ回数も減っていってついには遊ばなくなってしまった。




感覚的には一応ラ〇ンつないだけど最初だけ話してそこから話す回数も減りもう話すことが無くなった...あんな感じに近い。


いまならそんなことがあってもなんとも思わないが当時の佳はよく遊んでいた友達と遊べなくなってしまったことでかなり落ち込んでいてもともとあまり人と話す性格ではない佳はどんどん学校でも孤立していった。




そんな佳の新しい趣味が小説を読むことだ。


漫画とは違い自分の脳でストーリーを想像する。


読んでいると自分のことを忘れて主人公や他の登場人物のことだけしか考えられなくなり嫌な日常から逃げることができる...そんな気がしてどんどん小説に没頭してどんどんゲームから離れていった。






____________________________




「んんっ...」




あまりいい夢ではなくて寝た感じがあまりしなかったがいつも通り7時35分に起きて朝ご飯を食べてニュースや好きな番組の録画などを見て休日を過ごしていた。


時計の針が12の文字を指したとき中から鳥が出てきて「かっこー」と甲高い声で鳴いた。




「ああ...もう12時か...」




そう思った佳は配信用のトイッターアカウントを作っていないことに気づきパパっと作ってそのあとに自分の配信アプリを開くとそこには信じられない光景が広がっていた。




「えっ?登録者数1000人?」




寝ぼけているのかほっぺをぺちっとたたいてもその数には変わらない。


初めて1日目で1000人行ってしまったのだ。




「おかしいおかしい...」




そう思いながらも夢ならば冷めないでくれと願いながら配信サイトにトイッターアカウントを登録し12時45分に配信を始めた。




「あーっ...あーーーマイクチェック!」




昨日のようにマイクチェックを行うと




Yuzune【おっ!始めてる!!】




ゆずねさんが見に来てくれた...がその前に驚きの方が多かった。




「えっ!?限定公開にしてなかったっけ?!...さっきのマイクチェック聞かれた?!」




そう...佳は限定公開にしてマイクチェックをしているのかと思ったらまさかの全体公開にしてマイクチェックを行っていた。


ふざけた声がいろいろな人に聞かれたと考えると恥ずかしくて仕方がない。




Yuzune【聞いてたよ~かわいいねぇ...もう一回!アンコール!!】




「嫌だよ!!...あっゆずねさんいらっしゃい」




そういって視聴者数を見ると163人と書いてあった。




「えっ?!163人!?...どどどどうして?!」




驚きながらミネクラフトを開くと




ワチモ府【おぉ...ゆずねちゃまやっぱりこの人の配信にいたんだ...】




勇者の盾の子供【しょっけんでーす★】




いろいろな人がコメントしてくれる。




「おぉあぁ...しょっ...しょけんしゃんいらっしゃい!」




餅の神【嚙んでるのかわええな...さすがゆずねちゃまがおすすめするだけある...この初々しさがいいね。】




「えっ?皆さんはゆずねさんからきたのですか?」




ワチモ府【そだよー】




餅の神【そうです】




勇者の盾の子供【うー】




そんな感じのコメントがたくさん来た。




「おぉ...初めてまだ1日目ですがよろしくお願いします!!」




そんな感じでゲームが開始して少しすると




Yuzune【コラボしよー】




とんでもない爆弾発言が来た。




「ん?...えーとコラボしませんか……えぇぇぇぇぇえ?!...いやいや無理だって!!初めてまだ一日だし!!」




ワチモ府【アーこれは完全にロックオンされたなww】




いわわわぁ【これはもしかするぞww】




ねねねンぱ【キタ━━━(゜∀゜).━━━!!!】




「えっ、えっ...皆さんどういうことですか?!」




Yuzune【もちろんいいよね】




「え...いやきついですって...話続かないって!!」




Yuzune【いいよ...ね?】




勇者の盾の子供【あーこれはオワタな】




幽霊部員の嫁【あきらめなwww】




「そ...そこまで?!」




漣 滝【彼女は気に入った配信者は無理矢理にでもコラボしようとします...逃げたらトイッターやニンスタグラムを調べるまで追い続けます。あきらめましょう】




Yuzune【ちょいちょい!!私そんなことしてないよ?!...探しちゃおっかなぁ...とは言ったけどやってないって!!】




「もう発想からやべえもんなぁ...」




そんなこんなでゲーム画面では日が傾き夜になろうとしていた。

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