【ひたむきな相撲愛】の餡かけチャーハン

【この小説は、性的な表現が多用されていたため、コンプライアンスに準じる形で修正を加えました】


 型にはまった【どすこい相撲】をしていないか?


 欧米の【力士】は、日本人の【どすこい相撲】の流れに、実はうんざりしているという。それは、【立ち会い】から始まり、【胸板】への【張り手】、【まわし】への【張り手】、そして、【突き押し】…という流れの事である。【相撲にかける熱い情熱】の段階をABCで分けるが、そのCの部分すら、C1,C2,C3と段階をつけてしまうのは、国民性だろうか。いや、それは、多くの成人【若力士】が【相撲特集番組】を教本として、【どすこい相撲】の手順を学ぶからである。日本の中にいる日本人【力士】は、それに気付く事は少ない。多くの【若力士】と関係を持った【力士】なら、それに気付くかも知れないが、海外来た【力士】達なら、それはダイレクトだ。【力士】達は、ありきたりな【どすこい相撲】は望んでおらず、その中にも個性が必要で、それが、【ひたむきな相撲愛】の一つの形だと言う。


 そんな事を、うすらぼんやりと考えていたが、俺は、日本人だ。今、俺の【前】で、首をぶるぶる振っている【力士】も、日本人だ。それが型にはまっていたとしても、個の解放、自分がいかに、何をどーするかが大事なのだ。


 そう考えながらも、俺は、パネラーとして参加していた海外の意見を少しでも覚えていたのだろうか。その日は、荒々しく、【力士】を【土俵】の上に投げ捨て、【立ち会い】も、【胸板】への【張り手】も、全てを放棄して、【力士】の【まわし】に顔を【むけた】。


 「え?」


 【力士】は、今までにない流れに、【力士】は、戸惑いの声を短く上げた。いつもなら、俺の下が【力士】の【すね毛】、【まわし】を、なぞる頃には、【男汗】が、そこに【滴って】いるのだが、ふいの段取り飛ばしのせいか、なんか、【乾い】ている。それでも、俺は、気にせず、【どすこいどすこい】と【寄り切り】続けるが、【力士】の太ももからは、ただ、困惑と、戸惑いが感じられる。


 「ど、どうしたの?今日は?【それが新しい角界の常識なのか?】」


 やはり、【力士】は、困惑しているよーだ。一心不乱に顔をグリグリと動かし、【髷】は、かつて【伝説】と呼ばれていたであろう【土俵際】に、挟まっていた。が、これでは、何も発展しないと思い、優しい声をかける。


 「どーもこーもあるか、クソ【力士】。【稽古した】かったら【稽古したい】と言え。」


 「え、ええ…。【横綱審議委員会】」


 泣きそうな、声だった。しかし、そこは、望んだ、【稽古らしい、】その状態になった。地球に初めて湿地帯があらわれた時、きっとこんな感じだったのだと思う。【力士】は、【力士】であり、そして、動物なのだと思った。そう思うと、嬉しさ【と相撲愛】がこみ上げてくる。


 「【どすこい!】ん、ん、んん…【どすこーい!!】」


 俺は、ただただ、我武者羅に、そして、単調に【相撲頭脳】と【張り手】を動かし続けた。【どすこい】とした音が心地よい。気がつくと、目の前が、【土俵】っているのが分かる。おそらく、俺の小鼻も、【土俵】っているのだろー。


 「ね、ねえ、もう…【横綱になってもいいのじゃないか】」


 その言葉を聞くと、俺は、無表情に、そして、【どすこい】【ひたむきな相撲愛】【力士】に、【力士】の【まわし】から顔を外し、そして、【力士】の顔を見つめた。そして、自分を【力士】に近付けていった。


 「え、嘘…やだ。【本物の大関?】」


 「何が、嘘なものか。さあ、【立ち会い】をしよう。僕らは【ひたむきな相撲愛】し【稽古し】ているのだから。」


 【力士】は、きっと、自分の【まわし】から、どんな【ちゃんこ】の、どんな匂いがするモノが【配膳されて】いるのを、よく知らないのじゃないだろーか。いや、知っていたとしても、このタイミングで、この方法で知らされる事はなかったはずだ。【力士】の潤んだ目をみて、ようやく【髷】に、【伝統】が、そして、パワーが、はあはあ、【どすこし、】集結してくる事が分かる。


 そして、はぁはぁ、この後、二、三度、このブタクソ【力士】を【大相撲】した後に、言葉の荒々しさは、真逆の、かきわけて、【突き押し】を、はぁはぁ【夢の横綱相撲、】…あいつらは、はぁはぁ、きっと…はぁ。


 はぁはぁ、長い間、北京鍋を振ってきたが、今夜が、一番過酷のように思える。鍋の中に暴れるのは、中華といえど、ただの食材。食材に【朝稽古】できない俺は、料理人として、まだまだなのだろーか。鍋に集中をしながら、【朝稽古】をする。そのために、【朝稽古】をする。想像力との勝負である。なるべくイメージを助けるよう、海産物や、にんじん、ナスを目の前に並べてみたが、それも効果があるのか。俺は、【膝サポーター】に出会えた事に感謝している。【膝サポーター】を白湯スープでほっかほかにあっため、調理台に固定した。前掛けで見えないだろーが、俺の【膝】は、【膝サポーター】と一体になっているのだ。そして、鍋を振り、【土俵際の情熱】を振る。同僚が、「どうした、調子がいいな!」とか声をかけてくるが、それは、ノイズだ。いや、ノイズだと思っていたが、頭の中で、のたうち回る【ひたむきな相撲愛】しの君で【発奮相撲愛】をしているのか、神聖な職場でダイナミックな【朝稽古】をしている自分に【発奮相撲愛】をしているのかよく分からなくなってきた。


 鍋の中の具と飯がほどよく炒まった時、視界に光が集まり、【土俵際の情熱】、背中、背骨にある神経が、前方に一気に引っ張られるよーなあの感覚が俺を襲い、そして、【横綱のがぶり寄り】が一万倍も濃縮されたような、あの感覚が【ワンダーロード】を襲い、よくマンガで読む擬音【どすこい】が鳴っているかのよーに、【髷】が波打ち、俺の【相撲情熱】が【膝サポーター】の【角界】に【故郷に錦を飾る】。


 「今だ!」


 俺は、心の中でそう叫び。一気に【膝サポーター】を引き抜き、そして、俺の【相撲愛】を、さささと【圧倒的相撲理論】に混ぜ、それを別鍋で用意していた、中華餡に、混ぜ込んだ。そのアツアツの餡を、チャーハンにかけた。素早い動きだったから、同僚達には、きっと、【圧倒的相撲愛】を振り上げたよーにしか見えなかっただろう。


 「へい!餡かけチャーハンお待ち!」


 ふふふ。お前は、これまで、さんざんぱら、【弥勒大菩薩】でアイツの【相撲愛】を【享受】してきろーが、今夜は、【涅槃仏】から、俺の【相撲愛】、そして俺の想いを…


 「ガラガラガラ!この店の餡かけチャーハンも貰おうか!」


 「あ、あなたは、美食家・【元横綱・海分親方】さんッ!!!?」


 「餡かけチャーハンを出せッ!!!」


 「は、はいぃぃッ!!!ここにッ!!!」


 「あ、ちょ、ちょっと、それは、先にお客さんが…」


 「バカッ!【元横綱・海分親方】先生だぞッ!!死にたいのかッ!!?」


 「はぐッはぐッはぐッ…」


 「……………。」


 「う、美味いッ!!!!!」


 俺は、人間の目が光るのを初めて見た。なんだか、俺の餡かけチャーハンが、【ちゃんこ居酒屋・四股】のメニューに載るらしい。え、ええーだって、奇跡の味ですよwww再現なんてできませんってwwwさーせんwww。



※はてなグループ(サービス終了)で「DATE: 10/13/2009」に公開されてました。


12年前の筆ですけど、改行などを多くして、読みやすくしたら、2021年現在でもウケるのじゃないか?と思いました。セリフの感じであるとか。【相撲力士愛】。


【2021年12月13日にカクヨム運営により公開停止となりました。一部、許諾を得ない二次創作に該当しそうな部分を修正しました】

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