26. Remember High Fantasy 前編
『ホラー』とは、恐怖を語源とし、それを題材とする物語のこと。
『
『呪い』や『
この作品はコメディだが、ホラーに耐性の無い、上記の単語だけでも恐怖を感じてしまう方は、念のため、今回のお話はパスしましょう。
しかし......
◆◇◆◇◆◇
「これは私が、ある宿屋に泊まった時の話です。私は部屋にある物を、
「「キャーーーーーー!!」」
トールとプラリネは、お互いにしがみついて怖がっている。
夏の夜に
今のは...怖かったのだろうか。
「次は......僕の番だ......恐怖の『
ハーディアスが話を始めようとした瞬間、部屋の明かりが一斉に消えて真っ暗になった。
「「キャーーーー!!」」
女性陣は大パニックだ。
すぐに明かりは灯されたが、一つ引っ掛かる事がある。
「なぁ...さっきハーディアスの前に話してたのってさ......誰だった?」
今日一番の悲鳴が響き渡ったのは、言うまでもない。
"フランキーのジム"
本日は『
「ムゥン!あの樹海に行くのか?狂暴なモンスターが生息する場所だ!気をつけるのだぞ!」
「フランキーは行ったことがあるのか?」
「ムォォ!ワタシの古い友人もな、あの樹海に入ったのを最後に、音信が途絶えたのだ。ワーカーは、常に危険と隣り合わせだからな!」
いつもポジティブなフランキーにも、そんな辛い過去があったのか。
ミイラ取りがミイラ、なんてことにならないよう、入念に準備しておかねば。
"時忘れ樹海"
「なんと言うか、気持ちが暗くなりそうな場所だな」
「夏なのに、肌寒く感じるね」
生い茂る木々のせいで、太陽が昇っているのに薄暗い。
何でこんなとこに迷いこむかな、そのワーカー達は。
「こういう場所じゃ、何が飛び出してくるかわからない。
「...了解した...」
「任せとけ!」
「モグモグ」
おい、一人だけおやつタイムしとるじゃないか。
【救助クエスト開始】
さっきから、誰かに見られているようにも感じるし...樹海あるあるだろうか。
強いモンスターがいるって話だし、さっさと助けて脱出しよう。
「あんまし奥のほうへ行ってなきゃいいけどな。迷子になったのは、どんな奴なんだ?」
「うーんと、ヴッチャーさんのパーティー『ハゲワシ』の人達だってさ」
うげぇ、よりによってハゲワシの連中か。
七夕でケンカしたっきり会ってない。
相手が誰でも、助けないワケにはいかないけど。
「タスク......様子が変だ......どうやら囲まれている......」
ハーディアスが異変に気付いたようだ。
モンスターのお出まし、武器を構え
【ソルジャースケルトンが現れた】
鎧を着たガイコツ達が、武器を携え、ぞろりと迫り来る。
剣に槍に弓矢、生前は
「こんなまともなモンスターもいるのか」
「なんだかカタカタ言ってて気持ち悪いや」
襲いかかってくるモンスター。
振り下ろされる剣をブラフマンで受け止め、返す刀で胴に一撃を見舞う。
ヒュン!!
「なぬ!?攻撃が通り抜けた?」
間違いなく直撃コースだったはずなのに。
「コイツら!物理攻撃が一切通用しないぞ?」
「武器に実体はあるが...本体はまるで幽霊だ...」
プラリネの拳も、ハーディアスのドリルでも効果が無い。
どうしよう、パンドラの森と違ってここは木が密集してるし。
トールの魔法を使うと火事になりかねない。
「だったら!これならどうだ!『
トールのスクリプトに、なんとも有り難い言葉を書き込む。
「ナーンマーイダーナーンマーイダー」
トールがお経を唱えるも虚しく、ガイコツは切りつけてくる。
「ちょっと!全然効果が無いじゃない!?死ぬかと思った」
間一髪、すんでのところで剣を交わし、事なきを得た。
やっぱり、宗教が違うし通用しないか。
「参ったな、今まで遭遇したモンスターと違って、真面目に攻撃してくるし」
「どうするのタスク?このままだと手も足も出ないよ!」
そんなこと言ったって、お化け相手に通用するスキルなんてあるかよ。
「くそぅ!こうなったらもう.........
「え?変身ができるの!?」
「出来ない...言ってみただけ」
トールが無言で蹴りを入れてくる。
だってしょうがないじゃないか、完全にお手上げなんだから。
「カタカタカタカタ!!」
有効な攻撃手段がない俺達に、ガイコツは一斉に攻撃を仕掛けてくる。
防戦一方、完全な初見殺しだ。
「くそ!このままじゃ......うぐぁ!!」
「タスク!大丈夫?痛い?ヨモギ...ヨモギを...あ!」
ガイコツの放った矢が、肩に突き刺さっている。
すぐさまトールが寄り添い、ポーチからヨモギを出そうとするも、
いよいよ
「
突然、光が目の前のガイコツを十文字に切り裂き、消し去ってしまった。
いったい何が起きているんだ。
「我こそは『
「私は『ハイプリースト』のジーナです!」
まともなモンスターと言い、正統派なジョブと言い、今回は違和感だらけだ。
いや、本来はこっちが正しいんだけども。
【謎の二人組が現れた】
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