第5話 出会い2
思えば出会った頃からカマエルの自信満々で不遜な態度は変わらない。
あの日降り立った姿に見惚れていた僕に
「悪魔がなぜ花畑にいる?こうしてみると月とすっぽんじゃないか」
と一瞥して鼻で笑った。
自分自身花が似合うとは思ってもなかったが、それでも好きな物に不釣り合いだと言われ内心かなりショックを受けた。
だけどやつの言い草にだんだん腹がたって
「お前に何が分かる!悪魔に花が似合わないなんて誰が決めたんだ!」
「俺だな。まぁ、似合わないなんて言ってはないがな」
「なんなんだお前は!!天使の癖に!こんなに口が悪いと思わなかった」
「それこそお前の決めつけだろう?」
「〜〜〜っ!!!」
僕の怒りにカマエルも負けじと突っかかって来るから僕もムキになって言い返してしまった。
ほんとこいつはなんなんだ。
見た目の神秘さとは裏腹に豪胆で不遜。
僕よりちっちゃいのに…
そう、あの頃のカマエルはまだ僕より小さくて容姿も相まってザ・美少年ってかんじだったんだ。
今は僕が頭一つ分小さいんだけどね…
でもよく考えると、天使なのにと勝手に理想を押し付けた僕も悪い。
そう考えると言いすぎたと思ってしまった僕は条件反射で謝っていた。
「決めつけてごめん」
突然謝った僕にやつは目を見開いてびっくりしていた。
本当は謝りたいと思ったわけではないけど、謝らなきゃいけないとどうしても思ってしまった。
「悪魔はプライドの高さと戦闘力だけが取り柄な種族だと思っていたからな
うん、なんていうか…びっくりした。」
やつは急に毒気を抜かれたように大人しくなった。
お互い急に素直になってどうしたらいいのかわからない時間が流れた。
「あー、なんだ俺も悪かった。
お前のことよく知りもせず悪魔だからと決めつけで悪く言った。」
僕こそ、天使はプライド激高種族だと思ってたから彼が素直に謝ったことに驚いた。
「俺は、お前のこともっと知りたい。
だから、
俺にお前の全てを話せ。聴いてやる。
それとお前は俺が守ってやる、お前弱っちそうだからな」
1人でうんうん納得しているやつをみて
ちょっと良いやつじゃないかと思ったことを反省して前言撤回。
自分勝手で不遜なところは変わらない。
「誰がお前に教えるもんか、帰れ」
「遠慮しなくていいんだぞ?」
「邪魔だ、どっか行け!」
やっぱり天使はいけ好かない。
後で無理やり名前を言わされたのは、悪魔として一生の汚点だとこの時はただただ落ち込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます