あで始まりおで終わる言葉
影神
災害
これは、起こらないかも知れないし、
起こり得る話しかも知れない。
それらは、気付かない内に。
深い所へと、刻まれ。
"興されたモノ"
なのかも知れないし、
偶然的。もしくは自然的に起きた事。
いや。
起こしてしまった、未来なのかも知れない。
もう。
誰も、
守ってはくれない。
自分の身は、自分の家族は。
自分の大切な人達は、、
自分達で守らなくてはならない。
自分がいざ、その場に居て、
自らの目で見て、体験してからでは、
既にもう。遅すぎる、事なのだ。
今なら、まだ間に合う。
備える事は、馬鹿な事ではない。
流される事も悪い訳ではない。
自分達が何を選択し、
どの様な道に進んだとしても。
そこには、光も闇も存在し得る。
大切なのは、大切な人が。
悲しまないと言う事。
我々が蒔いた種。
そう、開かれた道。
互いに殺し合い、憎み。
同族を。同じ種を。
減らしている場合では無いのだ。
彼等は待っている。
我々の大切なモノを奪う機会を。。
我々には、それらを断固として守れるのだろうか?
魂や、精神が、喪われつつある我等に、、
○○△△年。△月△日。
△△時△△分。
まるで、映画の様な。
ドラマの様な世界は、
私達の目の前に広がっていた。
「嘘、、だろ、、」
男性「誰か!!
助けてくれ!!!」
女性「助けて下さい!!」
男性「おぃ!
誰か手を貸してくれ!!」
女性「助けて!!!」
男性「助けてくれ!」
「、、、、、、、。」
それは、"リアル"だった。
「あーあ。
またかよ、、」
周期的に変わるそれは、
我等の生活を変えて行った。
ゴゴゴゴゴゴ、、
「揺れたな、、」
彼もまた。
徐々に数を増やして行った。
こうして、"異常"に慣れてきた頃に、
それはやって来た。
『巨大地震』
「なっ、、、でけえな、、」
ドォン!!
そう、大砲が放たれたかの様な音。
キュゥィーン、キュゥィーン、地震デス。
キュゥィーン、キュゥィーン、地震デス。
携帯に映し出された文字は、震度7を示していた。
「やべえ、やべえよ!!」
丁度、引っ越しが終わり、独り暮らしに慣れた頃だった。
棚からは、様々なモノ落ち、割れ、悲鳴すらも聞こえた。
「でねえと!」
マンションから出て、外に避難した。
バリン!、がシャン!!
色んな所から、様々な音が響く。
上からは、誇りや、欠片が降ってきた。
向かいの人達も出て始め、視線が合う。
男性「やべえよ!!」
男性「おい!早く逃げろ!!」
男性「倒れてくるぞ!!」
知らない人達が騒いで居る。
俺達は急いで階段を下りる。
女性「キャァ!」
誰かの叫び声が響く。
皆はなんとか外へと避難所したが、
揺れで扉が開かなくなってしまった者も居たみたいだ。
女性「助けて下さい!!」
ドンドンドン!
子供「助けて!!」
ドンドンドンドン!
何が何だか分からなかった。
パニックと言うやつか。
男性「早く逃げろ!!!」
そう言われると、硝子が降ってきた。
「くそ!!」
男性「早く逃げろ!!」
ドンドンドンドン!!
女性「助けて!!!」
男性「何やってんだ!!
死にてえのか!!」
俺は引っ張られる様にして、
その場を後にした。
助けを求める声は、煙と共に。
轟音と、アパートの崩壊と共に止んだ。
「助けられなかった。」
男性「、、、。
仕方ねえさ、、
だが。
"明日は我が身"
だろうよ。」
その場で泣き崩れる者。
「お母さん、、お父さん、、」
放心状態で居る者。
「、、、、。」
家族を叫ぶ者。
「お母さん!!!!」
こうして、俺達の。
生き残りをかけたサバイバルは、
幕を開けてしまった。
時に、災害と言うモノでは、、
人が人で無くなる。
と言うのを、自覚しておいて欲しい。
「おぃ!?
大丈夫だったか?」
肩に手を掛けられて、
我に戻った。
目をやると、同じ大学の顔見知りだった。
あまり、話した事は無かったが、
たまに講義が同じ事があった。
そんなやつについ、口から言葉が溢れた。
「俺、、さっき。
助けを求めてる親子を、、
見殺しにしちまったんだ。。」
拳は強く握られる。
知人「、、、そうか、、。
別に、優しい言葉を掛ける訳じゃないし。
冷たくしたい訳でも無いが。
こうなったのは、俺らの
"危機管理能力"がもたらした結果だ。
仕方がない。。
前から言われていた。
70年後、50年後。30年後には来る。
ってな?」
歩きながら、彼は話してくれた。
○○県の○○○湖で、△△△△年には、
巨大な地震が来る事は予知されていた事。
それらによる脱○○を言われ続けられていた事。
そして、"再び"地震が来るかもしれない事も。
知人「俺達は慣れてしまった。
だから、そうなった。
来る事は分かって居たんだ。
だからきちんと、対策をするべきだった。
これからきっと。
もっと酷くなるぞ?
まあ、よろしくな?」
そう差し出された手は、少し震えて居た。
「よろしく、、。
でもまあ、救助が来るだろ。。
自衛隊とかさ、、?」
知人「おいおい。
まさか、それ本気で言ってるのか?」
「どう言う事だよ。」
その問いに唾を呑み込んだ。
理由は、薄々は、分かって事だ。
知人「直に分かるさ。
あっ、他に友達とかは居ないのか?」
「あぁ、、。」
友達付き合いが上手な方では無かった。
何せ、入ったばかりだったし、、
知人「俺もだ。」
そう言い、肩を組んで来た。
知人「よろしくな?
友人。」
「よろしく。」
本当に。
過去の自分に言える事なら、
今からでも伝えてやりたいぐらいだ。
災害が起きても。
『誰も助けに来ない。』
『誰とも連絡は、取れない。』
『救助は無い。』
事を。
重ねて言おう。
『誰も助けに来ない。
誰も助けてはくれないのだ。』
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