『ネガティ部！』～美男美女ばかりなのに普通？の俺が入部しても大丈夫なのか！？～

第72話 四大茶部総会招集

「ハッハッハッハ！！　お前達は私の占いなど無くても十分に面白い生き方ができそうだ！！　これも新ヒトヤン様のお陰かもな……」

「はぁあ？　何を訳の分からない事を言ってるんだルイルイ！！　あんたの占いでどれだけ俺達が振り回されたと思ってるんだ！！　そんなあんたが今度は学園の教師になるなんて……今度は学園中を振り回すつもりなのかよ！？」

　そうなんだ。今のうちに釘を刺しておかないとマジでルイルイは何をするのか分からないからな。ん？　最後に俺のお陰がどうとか言わなかったか？

「だから心配するな、新ヒトヤン様。私はお前と結婚できればそれで十分なんだ。他のゴミくず共はどうでもいい」

「そそその結婚が問題なんだよ！！　俺をからかっているだけのようにしか思えないし、ルイルイからは何１つ愛情なんて感じないからな！！　そ、それと学園の生徒達をゴミくず扱いするんじゃねぇ！！　皆に謝れ！！」

「ほぉぉ、愛情を感じないだと？　なるほど、新ヒトヤン様は私の愛情を感じたいのだな？　よし、それでは……」

　ガバッ

「うわっ！？　ななな何で俺に抱きつくんだ！？」

「愛情表現をしているに決まっているだろ。足も絡めてやろうか？　それとも新ヒトヤン様の大好きなキスをしてやろうか？　ほれ、チュー……」

「し、しなくていいよってか勝手に俺をキス大好き人間にするんじゃねぇ！！」

「そうなのか？　てっきりお前は……ああ、なるほど。新ヒトヤン様は『ハプニング的なキス』の方がお好きだったかな？」

「な、何を言って……あーっ！？　ももももしかしてルイルイ！！」

「フフフ、何をそんなに焦っているんだ新ヒトヤン様ぁ？」

　もしかしてルイルイは俺が舞奈にキスをしてしまった事を知っている……はっ、バスに隠しカメラを設置していたとか……あ、あり得るぞ。ルイルイならあり得る……

「と、とにかく俺から離れてくれ！！　じゃないと……」

　ルイルイの胸が俺の身体に思いっきり当たって……くう、めちゃくちゃ良い匂いをかもし出しやがって……って言ってる場合じゃないよな！？

「ルイルイ、一矢から離れてよぉ！！」

「そうよルイルイ！！　一矢君が嫌がっているじゃないの！！」

「一矢君から離れてちょうだい！！」

　え？　さっき突然よそよそしくなった舞奈や菜弥美先輩、テルマ先輩がルイルイにしがみついて俺から引き離そうとしているぞ。

「おっ？　何だお前達……私に抱きついてくるとは……何だか嬉しいな。傍（はた）から見ると大人気教師のようだ。ハッハッハッハ！！」

「勘違いも甚（はなは）だしいだろが！！」

「ハハハ、まぁそんな事はどうでもいいのだが……お前達、さっきから一言もしゃべらずお前達以上に『どよ～ん』ってしているミヨミヨを何とかしてやったらどうなんだ？」

「　「　「　「えっ！？」　」　」　」

　あ、本当だ！！

　さっきから美代部長だけ１人ずっとうつむいて何か落ち込んでいるじゃないか！！

　お、俺とした事が……ルイルイのおかげで俺の視界に美代部長が入ってなかったぞ。

「み、美代部長。どうされたんですか？　何かあったんですか？　ルイルイを見て具合が悪くなったとかですか？」

「新ヒトヤン様、それはあんまりだろう？」

「う、うるせぇ！！」

「え？　ああ一矢君すみません……ちょっと別の事で心配事がありまして……」

「心配事？　ルイルイ以外で何か心配事があるんですか？」

「おい、新ヒトヤン様。失礼の連続攻撃だぞ」

「だからうるさいよルイルイ！！　あんたは毎日、俺達に失礼な事をしているじゃなぇか！！」

「美代部長、もしかて『アレ』の事を心配されてるのですか？」

「えっ？　ええ、そうなんです。菜弥美ちゃんのおっしゃる通り、『アレ』がとても心配で心配で……」

　『アレ』？　

「菜弥美先輩、『アレ』って一体何の事ですか？」

「前に一矢君にこの学園には『名染伊太学園四大茶部』って呼ばれる部活があって、その内の１つがこの『ネガティ部』だと言った事があったわよね？」

「えぇ、覚えていますよ。そして残りの『茶部』が、あのテンテン部長率いる『ポジティ部』そしてまだ俺にとっては謎だらけの『クリエイティ部』と『アクティ部』でしたよね？」

「そう。そして定期的に生徒会主催のもと、その４つの部が集まって会議をする場があるの。それが『四大茶部総会』！！　その総会が明日の放課後に開催されることが決まってネガティ部にも召集がかかったのよ」

　よ、『四大茶部総会』……なんか凄い大袈裟な名称だな？　

「そ、それで、その総会には俺達全員出席するんですか？」

「それがね、各部の部長しか出席してはいけないという規則になってるの。っていうか私は絶対そんな集まりに参加したくは無いけどね。悩み事が増えるだけだもの」

　そうなのかぁ……部長しか出席できないのかぁ……

「わ、私はこんな性格ですし、他の部長さん達と同じ部屋で会議をするのは耐えられないといいますか、あのテンテン君も出席されますし……毎回、総会終了後は体調が悪くなって数日間学園を休んでしまうんです。本当に毎回、寿命が縮まる思いで、そろそろ私の命は今回の総会で燃え尽きるのではと思っています……」

　いや、それは考え過ぎなのでは？

「なので正直、出席したくはないのですが、私は部長ですし……その事を考えると……ほら見てください一矢君……考え過ぎて髪の毛が抜け落ちてきました……」

「ぅわ～っ、怖い怖い！！　美代部長止めて下さい！！　か、髪の毛は大切にしましょう！！」

「ハッハッハッハ！！」

「ルイルイ、笑いごとじゃねぇだろ！？　あんた正式な顧問になったんだから何とかしてくれよ！？　美代部長が可哀想過ぎるじゃないか！！」

「フッフッフッフッ……新ヒトヤン様。お前は絶対そう言うだろうと思っていたよ。だから私は正式な顧問の初仕事として先程、学園長に掛け合ったのさ」

「え？　学園長に掛け合った？」

「ああ、そうさ。ネガティ部だけは特別にもう１人参加出来るように許可をもらってやったんだよ。どうだ、凄いだろ私？　これで私と結婚したくなっただろぉ？」

「絶対しねぇよ！！　で、でも助かったのは確かだけど……美代部長、良かったですね？　２人で出席なら不安も少しは和らぐんじゃないですか？」

「そ、そうですね……助かります。ルイルイ、有難うございます。それでは今から私と一緒に参加していただく方を決めなくてはいけませんね？」

「ミヨミヨ、決める必要は無いよ。　お前と一緒に参加する奴はもう決まっている」

「え？　ああ、そうですよね？　やはり副部長の菜弥美ちゃんが一緒じゃないとおかしいですよね？」

「えーっ、私がですかーっ！？」

「私は賛成だわ……」「ぼ、僕も大賛成だよ！！」

「あ、あんた達！！」

「落ち着けヤミヤミ！！　お前が出席する必要はない。ミヨミヨと一緒に『四大茶部総会』に出席するのは新ヒトヤン様だと決まっているんだ。これは『学園長命令』でもあるから新ヒトヤン様、拒否権は無いぞ」

「えっ、え―――――――――――っ！？　何で１年の俺が出席なんだよ―――っ！？　それに『学園長命令』ってどういう事なんだ！？」