第3章 ポジティ部編

第32話 テンション高過ぎだろ!!

「ねぇ一矢~? さっきから何一人でブツブツ言ってるの? なんか気持ち悪いわよ」


「えっ? な、何だ舞奈か……別に何でもないさ…っていうか、気持ち悪いは余計だろ!?」


「まぁまぁ気にしない気にしない……あっ、そういえば昼休み教室に居なかったけどどこに居たの?」


「あ、ああ……屋上で弁当食ってたんだ。言っとくけどコレは内緒だぞ? 本当は校則違反だからな」


「大丈夫よ~だって私、そもそもそれを話す友達が居ないんだから~」


「あっそっか~って、納得してる場合じゃ無いんだよ!! そろそろクラスの女子達とも少しは仲良くした方が良いんじゃないのか?」


「それはゴメンよ。私には女子の友達は要らない。私は部活の先輩達とお話出来るだけで満足よ。それに、同級生の友達は一矢だけで良いわ!! それは前にも言ったよね? ただ一矢の親友の多田野君とは機会があれば話くらいはするけどさ……」


「あ、ああ、そう言ってたけどさぁ……」


 うわっ、向こうの方で和久塁わくるいがこっちを見ているぞ!!

 凄い期待した表情をしているよな?

 これはめちゃくちゃプレッシャーじゃないか!!


「そ、そうだ舞奈……和久塁なんかはどうだ? あの子はク、クラスのリーダー的存在だし、あぁ見えて彼女めっちゃ友達思いのところもあるしさ。彼女なら友達になれるんじゃないのか?」


「えっ、和久塁? 誰それ、同じクラスの人なの??」


 うそ―――っ!?

 クラスで中心的な存在の和久塁の名前すら知らんのかい!?


 ホラ、見てみろ和久塁のやつ、きっと舞奈の声が聞こえたんだろうな……

 後ろに振り向きすぐにしゃがみ込んだぞ。

 あれは絶対落ち込んでるよな?

 

 す、すまん和久塁、また今度頑張るから!!


「一矢~! そんな事より早く部室に行こうよ?! ほらっ!!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【ネガティ部 部室】


 ガラッ、ガラガラ……


「お疲れ様で~す!!」

「お疲れ様です!!」


「よぉ一矢君、昼間はありがとう。とても楽しいお昼になったわ」


 奈弥も先輩は俺の質問に答えていただけなのに楽しかつたんだな?


「こんにちは一矢君……昼休みはありがとね? あなたの卵焼き、とても美味しかったわ……」


 テルマ先輩って小柄なのに弁当箱は俺よりも大きかったんだよなぁ……それなのに俺の卵焼きまで食べるんだからな。一体、あの小さい体のどこに入るんだろう?


「おっす、一矢君!! 君のお陰で久しぶりに楽しい昼休みだったよ。でも本当は僕も君の卵焼きを狙っていたんだけどなぁ……」


「いえいえ、こちらこそありがとうございました。ってか、子龍先輩にまで卵焼きをあげたら俺の分が無くなるじゃないですか!!」


 子龍先輩は最後まで食べにくそうな顔の角度だったな!?


「ひっ、一矢っ!? 『昼休み』ってどういう事なの!? 昼休みは屋上にいたんじゃないの!?」


「だ、だから屋上に行ったら先輩達がいてさ……それで四人で弁当を食べてたんだよ。ただそれだけさ。で、ですよね、皆さん!?」


「ええ、そよう」「うん、そう……」「ああ、そうだよ」


「え―――っ、そうだったの!? だったら何でさっき言ってくれなかったのよ!? う〜私も屋上に行きたかった……どおりで毎日食堂に行っても、先輩達に全然会えないわけだよね?」


「ま、まぁ次からは舞奈も弁当の時は屋上で昼飯食えば良いじゃん。先輩達も別に良いですよね?」


「勿論よ。私は全然構わないわ。ただ、一矢君の右隣は私が座るけどね」


「左隣は私って決まつているけどね……」


「しょ、正面は僕だから!!」


 今日一日で座る位置が決まったのか!?


「は? ま、まぁ私は別に座る位置ははどうでもいいんですけど……明日からは私もお弁当にして屋上に行かせてもらうので宜しくです!!」



 ガラッ、ガラガラ……


「あっ、美代部長こんにちは!! 今朝はなんか色々とすみませんでした。それで『テンテン』さんは結局今日も学園に登校していないみたいですね?」


「そ、そうみたいですね……今朝は突然、一矢君に相談事をしようとしてしまい申し訳ありませんでした……」


「いえいえ、そんな事無いですよ!! 俺は全然、美代部長の相談事はいつでもウエルカムですから!! なので相談がある時はいつでも言ってくださいね?」


「あ、有難うございます……とても心強いです……」(ポッ)


 あ~良かった~!!


 帰り際の美代部長はなんだか不機嫌そうに見えたからちょっと心配だったんだけど、いつも通りの美代部長に戻っているぞ。まぁ、いつも通りといっても相変わらず気弱そうな感じは同じだけどな。


 でも……な〜んか少し顔が赤い様な気がするんだけど気のせいかな?


「そ、それはそうと菜弥美先輩から聞いたんですが、あの『テンテン』って言う人はネガティ部の天敵……」



 ガラッ、ガラガラ、ピシャンッ!!


「えっ!? えーっ!?」


 ま、ま、まさかこのスーパー〇〇〇人みたいなヘアースタイルの人が……



「ミヨミヨ~ッ、ひっさしぶり~っ!! 元気にしてたか〜いっ!? 僕は元気だけど、一ヶ月も入院しちゃってたから「どこが元気やね~ん!?」って突っ込みたくなるよね~っ!? でもさ〜病院もなかなか快適でさ〜ナースも医者も美人揃いでさ~あっ!? で、でもミヨミヨの方が遥かに美人だからね~っ!! それとやっぱりミヨミヨがいない生活は『クリープを入れないコーヒー』みたいで何か物足りなかったよ~っ!! えっ?「例えが古くて意味が分からい」って? ゴメンゴメン、今は昭和でも平成でも無く慶應けいおうだったよね!? えっ、違った? そっか~『けいおう』は『けいおう』でも、僕はミヨミヨの美しさにいつもKOなのさ―――っ!!!!」



 シ――――――ン・・・・・・・



 な、何なんだ!?


 この人の異常なまでに凄まじい『テンション』は!?

 それに、俺が苦手としている高等技術『一人ボケ一人突っ込み』をいとも簡単にするなんて……


 や、ヤバいぞ……この人は俺が想像していた以上にヤバい人だ……

 本人を目の前にして口には出せないけど……


 どうか『テンテン』さん、どうか……


 お願いですだから……


 もう一度、入院してくれ――――――――――――っ!!!!




――――――――――――――――――――――――

お読みいただきありがとうございました。

新章『ポジティ部編』スタートです。

テンション高めで読んでみてください(笑)

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