第4話

「ただいま」


「ただいま~菜々美ママ」


リビングに入ると、紘くん一家は当然だけど何故か私の家族も勢揃いしていた。


「ママにパパ、それにお兄ちゃんまで。なんで皆集まってるの?」


「優希に紘おかえり。雪翔が何か面白いもの見れるって聞いたからお邪魔してる」


雪兄と私のお兄ちゃん春希はるきは同じ歳で同じ大学に通ってる。2人ともすごく仲が良い。


面白いものって、例のDVDの事だよね?

それしか思い浮かばないしね。


「まさか・・・アレをみんなで見るつもりなのか?」


「たぶんね」


あのぉ・・・さすがに全員に見られるのは私でも恥ずかしいんだけど・・・。


「ふふっ。じゃあみんな揃ったし上映会はじめましょ♪」


「母さんやめてくれ!」と言う紘くんの声は無視された。


そして、プロジェクターを通して大きいスクリーンに幼い頃の私と紘くんが映し出された・・・。



二人は仲良く遊んでいる。


そして例のシーンが流れた・・・。


「優希ちゃん大好き❤僕と結婚して下さい」


「私も紘くん大好き❤うん、優希を紘くんのお嫁さんにして」


「ありがとう。約束だよ優希ちゃん」と頬にキスした。


「うん、約束ね」と紘くんの頬にお返しのキスをした。



うん、可愛いけど恥ずかしすぎる~。


「もういいだろ」と菜々美ママから無理矢理リモコンを奪ってプロジェクターを停止した。


「うんもう、まだ続きあるのに・・・。でも可愛かったでしょう?それにちゃんと証拠もあったでしょ?」


「うっ!子供の頃の話だろ」


やっぱり紘くんは私と結婚するのは嫌なんだ。

私は紘くんにプロポーズされた時から、ずっと紘くんと結婚するんだと思っていた。たとえ子供の頃の約束だったとしても、そう思っていたのに・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る