第3話

「それよりも映画の時間大丈夫なの?」


「優希そろそろ行かないと映画遅れるぞ!」


「うん。じゃあ菜々美ママ行ってきます」


「2人とも行ってらっしゃい。終わったら真っ直ぐ家に戻ってきてね」


何かあるのかな?


「わかったよ」


「はーい♪」



「ううっ・・・」


映画見終わった私は大号泣中


「優希泣きすぎ」


「だってぇ・・・あんなに可愛い猫ちゃんが死んじゃうんだよ?紘くんは悲しくないの?」


「別に悲しくないわけじゃないけど優希は泣きすぎだ。それにそう言うストーリーって分かってただろ?」


「うん。だけど想像した以上に悲しかったんだもん・・・」


「とにかく顔が凄いことになってるから」とハンカチで私の涙を拭ってくれた。


「ありがとう紘くん」


やっぱり紘くんって優しい。


私がなにか困っていたら、さりげなく助けてくれるんだもん。


ねぇ紘くん、私は紘くんにとってどう言う存在?


そう聞きたくても、聞く勇気がない私は臆病者だ。


「ほら家に帰るぞ優希」と手を差し出された。


「なに?」


「手ぇかして」と紘くんに手を繋がれた。


うわぁ・・・紘くんから手繋いでくれた。


紘くんとは数え切れないくらい手を繋いだ事あるけど紘くんから手を繋がれたのは今日がはじめて・・・。


ねぇ紘くん、そんな事されたら私期待しちゃうよ?私一人が特別なんじゃないかって・・・。


紘くんにとっては私が泣いてたから仕方なくそうしただけかも知れないけど。


私にとっては、かけがえのない瞬間だったんだよ?紘くん


「うん、一緒に帰ろう紘くん」


そして、私達は紘くん家に向かった。


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