(三)-4

 そのような中での無線だった。そのため、今回も本人ではないかもしれない、とも思った。

 しかし今度のはそれまでのとは違った。

「浦上本人を確認、捜査員は現場へ急行せよ」

 どうやって発見したかまでは不明であったが、今度は本人と確認できたらしい。

 長田はすぐに、少し離れた所に立っていた白石の方へ向かった。

 白石も無線を聞いて長田の方へ向かっている途中だった。

 長田は「聞いたな」と白石に言うと、白石の「はい」という返事を聞く前に現場の方へ足早に歩き始めた。

 現場は駅からほど近い繁華街の中にある飲食店であった。現在、飲食店の表側と裏側に一班づつ待機し、店内でも二人が入店して監視中だということだった。


(続く)

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