(二)-17
そこで合同捜査本部は、捜査員全員を浦上の捜査に向かわせることになった。
しかし浦上には、前科がることが判明していた。暴行罪で三ヶ月ほど刑務所にいた記録があった。そういう経験をしているなら、普段から警察の目を逃れるように行動している可能性もあった。その意味では浦上の発見は容易ではないだろう。
さらに、若い男女二人組が、この浦上の命を狙っていた。とにかく時間がない。
「何が何でも絶対に浦上の身柄を確保せよ!」
捜査会議の終わりに捜査本部長の神埼が、大声で捜査員たちに発破をかけた。
(続く)
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