ルズベリーの町の伝統行事
街を探そうと僕はキンググリーンスライムのいた空間へ戻ってくる。
その空間には丘が横にあったのだ。
そこから僕は辺りを見渡す。
「あっちにあるのって……村だ!やっと見つけた!よかった……」
僕は村に向かって一直線で向かった。
ようこそ。ルズベリーの町へ。という看板の前を通り過ぎる。
その街は少し小さめだったが町並みはとても美しかった。
そして、街のギルドで換金手続きを行っているときに問題は起こった。
「えーっと……スライムの粘液165個と……えっ!?これって……キンググリーンスライムの王冠……のかけら15個……」
受付の人の言葉が詰まる。もしかして倒してはいけなかったのだろうか……
「ガルディーヌギルド長!ついに来ましたよ!」
受付の人が奥に向かってそう叫ぶ。
受付の奥から優しそうな顔をしたおじさんが出てくる。
「ほんとかね!?またキンググリーンスライムを倒した人が出たか!!」
「はい……!」
「これは……また儀式を行う必要があるようだな……」
儀式……?どういうことだろう……
「儀式……ってどういうことですか?」
「この町の伝統儀式でね。森の奥のキンググリーンスライムを倒したものへの試練とも呼ばれるものだ。ランキングで1位の勇者達と戦い、勝ち抜けば称号の『
ランキング1位……その言葉に自分は元ギルドの人達を思い出す。まさか……いや、でもそんなはずはない。いや、そうであってほしくない。
僕は恐る恐る口に出す。「もしかして……そのパーティーって……『月の狼』っていうところですか……?」
「あぁ、そうさ。もしかして顔見知りかい?」
顔見知り程度ではない。僕が追い出されたクランだ。そして、強いものがいればいいとしか考えていないクランでもある。
なんだか物凄く復讐の心が出てきた。
「まぁ……色々あったんですよ……参加します!いや、させてください!」
「はっはっは!そこまでやる気がある子は初めてかもな。分かった。では5日後にこのギルドを出て2個目の分岐道を右に曲がった先にあるコロシアムで会おう。あぁ!安心したまえ。戦闘中は防御結界を張るから死ぬことはない。」
死ぬことがないのは良かった。もし負けたら……と少し心配があったのだ。
5日後か……準備期間はまだまだある。
今からでもモンスターを倒しまくって交換所でコインに交換してもらおう。そうすれば武器の素材も買える。武器が何本必要かなんて分からないからね。
早速僕は素材の売却で手に入れた5000コインを受け取り、ギルドの掲示板のクエスト募集欄を確認した。
「なになに……?グリーンスライムの粘液を50個納品せよ……か。物好きもいるもんだなぁ……報酬のコインも多いしこれにするか。」
受付に行き、クエスト申請をする。
クエストは無事に受けることができ、僕はさっきまでいた森へと向かう。
「スキルオープン。スライムキラーナイフを精製。」僕はスライムキラーナイフを持ってグリーンスライムを探しに行く。基本は湿ったところにいるのでそこをうろちょろしていると普通に会える。
「えいっ!」プシュー……
「これで粘液は42個めか……ていうかこれ、スキルツリーでドロップ数もっと増やせないのか……?」そう思ってスキルツリーを開いた瞬間……一気に色々なスキルが開放された。
10個くらい……いったんじゃないかな。
開放されたのは攻撃強化。ドロップ数×4倍まぁ、スキルツリーの8個目のロックだ。あとはスピード+200補正。スピード2個目のロックだ。
「相当な強化これで入ったな…これは偽装士にも負けないんじゃねぇか……?」
――――――――――――
井上陽翔 Lv.35
攻撃力 1258→1453(+100の補正)
防御力 1002→925(スキルの代償により
魔力 1465→1528
素早さ 250→359(+200の補正)
――――――――――――
「いや、まて……?防御力が下がってる……?なるほど……スキルの副効果か……これは少し困ったな……スキルツリーにも防御力はないしな……」いくらこれ以上減ることがないとはいえこれはどうにかしなければいけない課題だ。
「試合だと防御力は関係ない……でも他の実戦となると防御力は必須級になってくる……戦いが終わったらシールダーが必要になってくるかもな……」
その後、難なくグリーンスライムを倒し、ドロップ4倍の凄さを実感した。
「これすごいな……一気に8個ドロップしたぞ……」あっさりクエストの規定数集まった。
あとはこれをギルドに預けてクエストは完了だ。
「クエスト報酬お願いします!」
「分かりました!それにしても早いですね……スライムの粘液なんて狙ったところ切らないとドロップしませんよ……?」
まじかよ……僕の場合は確定ドロップみたいなところあるからなぁ……
「いやぁ……なんかたまたま斬り方が分かっちゃったので……そこからは楽でした。」
と苦しい嘘を付く。
「えっ!?それってすごくないですか!?」
なんとか受け付けの人はごまかせたようだ。
「クエストの素材、お受け取りしました!こちら報酬になります……!」
僕は8000コインを貰った。難航していたこともあり、報酬が2倍になっていた。
「このコイン量なら素材が沢山買えるな……宿も取ったし、素材屋に行ってみるか。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます