伝言ゲーム

坂西警護

デッド・メッセージ

 古代ローマ。アレクサンドリア図書館にて。


「このポロフィウスの詩歌は不味いな……」


 私、駆け出し詩人アレウルスは非常にひどい詩を改変決意をする。


『おお、この黒き虚ろの、羽衣よ。汝に渡さん』



『ああ、この薄暗き脆き衣よ、汝に渡さん』


 と改変。


 時は流れ、とある修道院にて


「うーん、翻訳が難しい」


 私は名も無き修道士キリヌス。アレウルスの詩歌を翻訳している。


「意訳になるがいいか、これぞ神のおもしべし」


『悪魔の衣服、汝に渡す』


時は流れて、とあるロマン派が支配するドイツの大学。


「このキリヌスの詩歌は酷いいかにも中世暗黒期だ、作り直そう」


『盗人のボロ切れ、君にあげる』


 とある、アメリカの大学にて

 

「と、このようにローマの一部地方の盗賊は布を渡していたと言われております」

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