002「暗闇」

どこだここは……俺は一体どうなって

いたんだろう……確か、横断歩道で意識を

失って……いや、それよりここがどこだか

知る必要がある。


「誰かいるか? いたら返事してくれ。」


俺は声をかけた。


「はい、なんでしょう?」


優しい女の声がする。


「ここはどこだ? 触れた感じベッドの

上みたいだが……」


感触は恐らくシーツだろう、そして高反発な

マットレスが俺の体を支えてる。


「ここは病院ですよ。」


なに……? 病院だと? 嘘に決まってる。

病院はこんな暗闇なのか?


「本当か? なら、なんで真っ暗なんだ?」


俺の目の前は真っ暗だ……だが女が言うには

病院らしい……


「あなたは……」


それを聞いた瞬間、俺は意識を手放した。



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