19年間、本当にありがとう。てちち君、虹の橋で待っててね。

2022年6月22日の水曜日22時15分…。今日は私の中にある何かが完全に壊れてしまいました。


今日が終わるまでに、このエッセイだけでは本日中に書き上げようと思います。本日、19年間、苦楽を共にした愛犬、わが家の長男坊こと愛犬のてちち君が、虹の橋へ渡っていきました。


ワンコとしての年齢的には大往生ではあります。だから、覚悟はしていました。昨年末にも愛猫の末蔵君が18歳で虹の橋へ先へ渡ってしまいました。1時期は8ワンニャンいて、里親活動をしていました。半分くらいは里親さんの元に行ったでしょうか…。


我が家に居るのは失礼な言葉ですが残り物…。引き取り手がなかった子ばかりです。子供も誕生した事もあり、里親活動は現実的に難しかったので、辞めました。


あの時と違い、今はワンコもニャンコもいません。今、家にあるのはてちち君の遺骸と末蔵くんの遺灰のみです。1番長くいたワンコとニャンコです。末蔵もですが、てちちに関しては、ある意味、私と妻の中で長男坊という存在でした。


この子が来た頃には正直、ワンコを飼えるほどの経済レベルでもなかったのです。妻は働いておりましたが、私は無職、100社以上も就活しても、相手にもされない。風呂さえない4畳半の部屋しかない家に住み、兎に角、貧乏でした。それでも、子犬の段階で普通のチワワの成犬よりも大きいデカチワと呼ばれる子だったてちち君を、ほぼタダ同然のような金額で、北海道にあるチワワブリーダーのミニマムベイビーさんから、わが家の子として譲っていただきました(※いまは、その犬舎はありません)。


デカチワとはいえ、貧乏人には似つかわしくない血統書付きのチワワです。名前もチワワの先祖といわれている聖なる犬とよばれていた"テチチ"という犬から名前をとり、血統書の名前も"てちち"にしてもらいました。


それから19年…。風呂さえない4畳半の部屋しかない家は増築改築を繰り返し、大きくなり、その夫婦には子供が3人誕生し、上の子は今では高校生2年生…。無職で貧乏だった飼い主は、小さいながらも複数の会社や法人の社長やら代表理事やらになっていました…。ですが、子供の入院手術や、突然、丸投げされた親の介護で、1番触れ合いしなければならない時間に全く構ってあげることも出来ず、ようやく落ち着き始めた頃には、てちち君は既に老犬になっていて昔の様な元気で、ペロペロ星人と呼んでいた程の喜びの様子もできなくなり、嗅覚も視覚も聴力も衰えてしまい1日の大半を寝て過ごすという状態になっていました。


「後悔、先に立たずです。」末蔵くんの時と同様、飼い主としては、本当に失格でした。


加えて現在は、鬱病、適応障害、パニック障害、スマイル仮面症候群、睡眠障害、喘息、狭心症など、過度の仕事とストレスで、心も身体もボロボロ…。加えて、1人の人物の存在が頭を更に悩ませています。癇癪と人に対するマウントが兎に角、凄い人…。鬱の私には堪えきれない口撃…。


今回は、その追い打ちをかけるようにやってきた、私の大事な子供というべき存在だった愛犬の死…。これで完全に私の中にあった何かが壊れました…。そう粉々に…。


「常に謙虚であれ」「常に寛容であれ」の内の1つ、「寛容するの心の器」が粉々になりました。鬱の為か、それとも違う理由か、怒りの感情さえも面倒臭くなりました。怒りは確かに一時的に大きな力を生み出す原動力にはなりますが、最後には虚無だけが残ります。正しく非生産的な感情だと今の私は思います。ですので、怒りの感情はないです。


ただ、笑って何でも許せるかといえば「否」です。でも、怒りではありません。では許さない行為をされたらどうするかです。それは、それ相応の対価をいただくという形になります。


話は戻しますが、ほとんど寝てばかりだった"てちち君"は2日前の夜、急に暴れだして、また眠りに入りました。その様子が異常な感じがしたのが気になって眠れず様子をみていました。午前1時に1度ワンと小さな声で鳴いたので、大丈夫かと少し安心して眠りましたが、それが、あの子の私に対しての最後のお別れの挨拶でした。


もう、てちち君と末蔵くんと同時に大切な家族を失って、鬱病な上にペットロスが加わり、ワンコもニャンコを迎える気はありません。ただ、子供達が巣立ち、以前の様に夫婦2人だけになったら分かりませんが…。


この悲しみはもういい加減に終わって欲しいです。この5年で両親と祖母2人、大学時代からの親しい後輩、愛猫、愛犬を失い…。令和からは店まで入れると4回も被災して失う物が多過ぎました…。神様がいるのなら、一言申したいです。もう十分すぎる程、災難も困難も受けてきて乗り越えたので、それ相応の幸福をくださいと。普通レベルではもう許せません。最低でも国内。普通でも世界を変える程の幸福を私に返してください。


もう人生の試練としては十分でしょう。あと、何を奪うつもりですか?もう、あなたに与えるものはありません。試練も困難もこれでエンドです。


元気だった頃の、ペロペロ星人と呼んでいた、ワンワンとけたたましく吠えた、デカチワだけど小さな黒い犬のてちち君に会いたい。親の介護の時間や子育てで蔑ろにしていた時間分、一杯ナデナデしてあげたい。褒めてあげたい。一緒に散歩したい。遊んであげたい。私の中で1番最初の子供なんです。


1番辛い時から今までのわが家を移り変わりを見てきた大事な大事な子供…。神様は、もっと、私の鬱がひどくなって死んでしまえと思ってるんですか?もっと苦しめって思っているんですか?


もう心も身体も限界です。持ちません。出来ていた事も出来なくなったしまった…。これで良いでしょう。てちち君はもう帰ってきません。


最後に「てちち」君、19年、私達の側にいてくれて本当にありがとう。


「ぼっくん」と呼ばれていた子犬…。いつもペロペロして「ペロペロ星人」とあだ名までつけていた事が懐かしいです。


2度の令和の浸水被災も堪えてくれた…。こんな終わり方でサヨナラは本当に悲しいです。死んだら塵になるとしか思っていませんが、今回ばかりは、生まれ変わりや、虹の橋があって、そこで、てちち君に会いたいよ。寂しいよ。


19年共にした、あなたの飼い主より。虹の橋にいる愛犬てちち君へ、このエッセイを送ります。

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