妖精との約束

みやび

プロローグ

 赤く色づいた木々が風に揺られ、さわさわと音を立てる。教室内では、たくさんの生徒が楽しそうに話していた。

 うつむいたまま歩き、自分の席に向かう。僕の席の近くにも、何人かの生徒が集まって会話をしていた。

 心臓の音がうるさく響く。体が小刻みに震える。声をかけようと、小さく口を開いた。

 だが、僕は何の言葉も発することはできなかった。

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