第4話【僕の名前はゼウス】

せかいがうごくよ♪ せかいはうごくよ♪


ひとつのにんぎょうが うごかすよ♪


ながいながいれきしの ぶんきてん♪




(なんだか不気味な歌だなぁ。歌詞の内容も意味分かんないし)


「あの〜」


(そう言えば体もなんだかふわふわした感覚があるなぁ。って手足の感覚無いんだけど!)


「あ、あの〜」


(これはもしや死んでしまったのでは?まじかよ、最後に見た景色は先生だよ?)


「だ・か・ら!僕はそれの説明をしようとしていてね⁉︎」


(うわ!なんだこいつデカ‼︎)


「もし僕が今初めて君に会ったとしたらファーストインパクトは最悪だよ⁉︎」


(すまんつい口に出しt...いや声も出ないからこのでかい奴聞こえてるわけn)


「聞こえてるよ!むしろダダ漏れだよ!」


(まじかよプライバシーもへったくれもないな)


「とりあえず僕に謝罪をさせて欲しいな」


 スケール感的に一《はじめ》は気が付かなかったが、こいつはしっかりと土下座に近い形をしていた。


(そうしないと話が進まなそうだし始めてくれ)


「ありがとう、それとすまなかった」


(うんうん苦しゅうない...ってなるかぁ!いきなり過ぎて何が何だか分からんわ!)


「そうだね、なら準備を追って説明しよう」


(初めからそうしてくれ)


 一《はじめ》の声が聞こえているのかいないのか、こいつは説明を始めた。


「まずは自己紹介をしよう。僕の名前はゼウス。一応地球を管理している神さ」


(ナ、ナンダッテー)


「あんまりびっくりしないんだな」


(最近流行ってるからな)


「?君らの言う人間を招いたのは今回が初めてだが?」


(気にするな。で、なんでまた俺がそんな名誉ある1人目に?)


「それが最初の謝罪につながるんだなぁ」


(なるほど、神の手違いで間違えて殺しちゃった系かぁ)


「惜しい!、ちょっと違うけど君は理解が速くて助かるよ」


(なんだ違うのか。なら俺が呼ばれた理由は何だ?)


「まずはこれを見てくれ」


 そう言って自称神のゼウスがとある動画を見せてきた。


『...安心しろ、気絶しているだけだ。井上と足立は体育館の入り口にある担架持ってこい』 『うん、軽い脳震盪ね。安静にしていれば直ぐ目を覚ますと思うわ』 『良かったぁ』 『井上と足立もありがとうな、ほら授業戻るぞ』 『いえいえ、僕らは一《はじめ》の友達なんで。当然ですよ』


 一《はじめ》が倒れた後の動画が流される。


(なるほど紗希と迅が手伝ってくれたのか、後で御礼言わないとな)


「丁度今見せたこの動画が200年前の出来事だ」


(まじかよ異世界転生系かと思ったらタイムスリップ系か!)


「そしてその時気絶した君の魂が、こちらのトラブルで...その...なんて言うか...」


(何だ自分から言い出したくせに歯切れが悪いな)


「その...誤って輪廻から溢しちゃったんだよね、君の魂」


(なるほど、俺たちの魂は元々輪廻転生が繰り返されていて、そこでトラブルがあって輪廻から外れてしまったと)


「いやぁ誠に申し訳ない」


「そもそも神様が仕事をサボったのが主な原因ですよね?」


 そう言いながらゼウスの後ろから神々しい女の子が出て来た。


「どうもこんにちは一《はじめ》君、神様の補佐役をやっている天使のメーティスです。よろしく」

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