純情可憐な社長令嬢はイケオジ弁護士に溺れていく

芦屋 道庵

プロローグ

「邦夫さん……」

 

 最愛の妻が呼んでいる。


「ありがとう、邦夫さん。私、しあわせだった」


 美雪、助けてやれなくてごめんね。君はまだ三十歳にもなっていないのに。僕には君の病気を治すことはできない。

 君の意識が薄れていく。

 呼吸が浅くなる。

 心臓が止まった。

 君が僕から離れていく。

 でも、僕は君を忘れない。

 今後絶対に、他の女性を愛することはない。




 

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