ホラゲーに吸い込まれて幽霊キャラの少女に溺愛されて監禁される
鬼雨とゐふ者
第1話
松山まつやま祐介ゆうすけは大のホラゲーが苦手だ。しかし夏に入ったらホラゲーをするのが彼の習慣だった。熱いから体を涼めるのとホラゲーの苦手克服を兼ねてのことらしい。
「うっし!!ホラゲーすっか!!」
パソコンを開いて『ホラゲー おすすめ』と検索する。そうすると上には魔〇の家や青〇などホラゲーを知らなくても知っている有名なゲームが多く並んでいた。
「ん?ナニコレ?」
祐介が気になったのは『呪女』だった。説明欄には...
《学校から帰っている少年のあなたは朝見たときにはなかったはずの廃城のようで屋敷を見つけます。興味津々のあなたは扉に手を触れると力を入れていないのに勝手に扉が開きあなたを中に入れて勝手に閉まって鍵を閉めてしまいます。そこに血の付いた斧を持った不気味な少女があなたを襲います。逃げながら謎解きをしていくホラーゲームです。》
「面白そうだな...」
祐介は呪女をダウンロードし部屋を暗くしてから起動させた。
「おぉ...怖そう...」
すると少年の意識はすっと抜けて倒れていった。
「んん...?」
祐介が目を覚ましてあたりを見渡すとそこには自分の部屋ではなかった。なんなら自分の家の部屋でもなかった。
「ここどこ?」
そして何が起こったかを振り返ってみると...
「えっと...さっきホラゲーしようとして......もしかしてここってあのゲームの中の世界?」
祐介は途端に冷や汗があふれてきた。
「どうしよう...」
そうすると廊下から足音が聞こえてきた。
「やばいやばい!!隠れないと!!」
そういってベットの下に隠れた。
「ふふーんふーん♪...今日のごーはんはからあーげからあーげ♪」
入ってきたのはすごい上機嫌な幽霊役?であろう少女だった。可愛く歳は16歳くらいだろう。
「どうしようかなぁ...今日客がくるってマネージャーに言われたけど一向に来ないし...もう先にご飯でも食べちゃうか!!」
そういってうきうきした少女は部屋を出てどこかへ行った。
「...」
(えっ?!あれが幽霊役?!うそやん!!あのサイトの写真にはあんなかわいい子いなかったぞ!?...でもさっき客って言ってたよな...多分あれ俺のことじゃね!?...まじかよあの子だったら何されてもいいかも...いや!考え直せ俺!!こんなところで死んではならない!!生きて帰るのじゃ!!なんだったらあの子もお持ち帰りするのじゃ!!)
とりあえず考えを確定?させてやることを決めた
(まずここからは声を出さないでいこう...ばれたらやばいもんな...そしてここを探索するか...)
そう思って辺りを見回すとパソコンがあった。
(もしかして開いたら帰れるとか?)
静かに開いて電源を入れると...
(えっ?!パスワードなんて設定してんの?!お化けってパソコンにパスワード入れるんだ!なんか現代だな...でもパスワードしらねぇ...)
そして適当に辺りを見回すと壁にある紙が貼ってあった。紙には...
《ぱすわーどCUTE@WATASI 忘れないでね!!》
と書いてあった。
(えっ!?可愛くない!?この幽霊さん!!まずぱすわーどってひらがななのが萌える!!しかもパスワードもキュート私だって!!どんな乙女だよ!!...あとこの子設定したパスワードとか覚えられないから紙に書いて自分に忠告してるんだ!可愛いなぁ...はっ!このままでは帰れないぞ俺!早く帰る手がかりを探さないと!)
開いてみるととあるゲーム画面が出てきた。
(あれ?このゲームってしゅぼんのアクションじゃね?...1面で止まってるし...仕方ない...進めてあげるか...べ、別に遊びたいわけじゃねーぞ!?...ただ進まないのはかわいそうだと思って...)
マップも出てくるギミックも知っていた祐介はパパっと終わらせて2面に行ったところで部屋の外から足音が聞こえてきた。
「ふぅ...おなかいっぱーい...まんじょくまんじょく~...さて!しゅぼんのアクションの1面を攻略するぞ!」
祐介は急いでベットの下に隠れた。
(やっべ!電源消してねぇ!!ばれないでくれ...)
「ふんふふーん..よしやr...あれ?...なんでパソコンが起動してあるんだ?...なんで?!さっきまで電源を消してたのに!!...もしかして幽霊?!...怖いよお...」
(えっ?なんで幽霊ちゃん幽霊におびえてるの?...あとまず侵入者がいるかどうかを気にしない?)
「しかも!1面クリアしてあるし!!...せーーーッかく私が終わらそうとしたのに...もー!!ぷんぷん!!」
(かわいい!!今の録音して家で100万回リピートしたい...)
「うわっ...なんか寒気した...というか...申し方ないし2面やるか...」
そういって少女はパソコンの画面に夢中になっていた。
(今のうちにこの部屋から出るか...)
そういって静かに静かに部屋を後にした。
(さて...ここからどうするか...台所とか行ってみるか...何かしらはあるだろう)
そういって少し歩いていると大きな机といすが置いてある部屋を見つけた。
(多分この部屋がリビングだろうな...お皿も置いてあるし多分ここでから揚げ食べたんだろうな...多分にこにこしながらほおばって食べてたんだろうなぁ...かわいいなぁ...っは!!危ない危ない!!また沼にはまるところだった...気を付けなければ...)
しばらく辺りを散策してみると棚を見つけた。
(ここになんかないかな...)
そう思って開けると...
ぱりん!!!!
重く嫌な音が鳴り響いた。
(うっそだろ!!なんでこんなに皿がぎゅうぎゅうに詰まってんだよ!!!やべぇ...器物損壊だぁ...まずは隠れねえと...)
そしてテーブルの下に隠れた。
その勘は正しくすぐに
「今の音なに?!」
少女が駆け付けた。
(やっべぇ...運わりぃなぁ...俺)
「あーあ...お皿割れちゃった...お気に入りのお皿だったのに...またあそこまでいかないといけないのかぁ...遠いから嫌なんだよなぁ...これからは棚に入れるお皿の量減らすかぁ...さてかたずけもそこそこ
やったし続きやるか!!」
そういって自分の部屋?に向かっていった。
(...え?...なんで俺ばれないの?...さっきもそうだけど明らかにおかしいし怪しいよね?...この子普通にバカなのか?)
そう思っていったん出ると向こうの部屋の方で
「あぁぁ!!そっか!!今回の依頼あれだ!!玄関じゃなくてももう勝手に家に来る仕組か!!じゃあもう来てるんだ!!」
と遠くても聞こえる声で何か言っている。
(え?全く気付いてなかったの?...しかも依頼忘れてたの?泣きそう...)
「早くメイクしないと!!」
そういって少女はメイク道具を持ってこっちにやってきた。
「「えっ?」」
片方は終わった(生命が)顔をしていてもう片方も終わった(素顔を見られて)顔をしていた。
「あ、あのぉ...失礼しました!!!」
祐介は引きつった笑顔をしながらすぐさまダッシュして逃げた。
「......えっ?私素顔見られた?...えっ?じゃあさあの《勝手にパソコンが開いていてしゅぼんのアクションが起動していて1面が終わってた事件》とか《お皿が閉めていた棚から出てきて割れた事件》
とかは彼のせいってこと?...とりあえずは彼を見つけましょうか...」
彼女のネーミングセンスは置いといて彼女は仕事と同じ笑みを浮かべて祐介を探しに行った。
(...ここどこ?)
パニックになったせいであの少女の部屋?に行く道とは違う道に進んでしまった。
(やばいな...これスリルあるな...ぞくぞくするけどなんか気持ちいな...何考えてるんだ俺!!変な性癖に目覚める前に隠れられそうな場所を探すんだ!!)
そう思って近くにあった扉を開くと
(...えっ?なんじゃこりゃ?)
そこにあったのは大量の写真だった。
(んじゃこりゃ?!)
そこに映っていたものはすべて子供から少年少女の写真だった。年にして10歳から15歳くらいだろうか?
そして適当に散策していると
(なにこの紙?)
写真の山の中に埋もれていた一枚の手紙を見つけた。そして何かに濡れたかのようにしわしわになっているところが数か所あった。そこには
『ゆねちゃんへ
ゆねちゃんがこれを読んだころには、私はここにいないよ...ごめんねもうつかれたよ...今まではがんばってたえたけどもう嫌だ。私はなにもしてないのにどうして毎回あいつらにあんなことされないといけないの?
もう辛くて辛くてたまらないよ。早く楽になりたいな。
でもね!ゆねちゃんは私のいっしょうの友達だよ!!ずっと!ずーーーとね!!
だからゆねちゃんだけは私のこと忘れないでほしいな...
それじゃあまたね!!またあえたらいいなぁ』
(えっ?...はっ?)
言葉にできなかった。文を読んだだけでわかる...これは遺書だろう。
(あの少女がゆねちゃんなのか?それともこのゆねちゃんの友達なのか?...わからないけどもしあの少女がゆねちゃんだったら...ここにたくさんある少年少女の写真もなんとんなくわかる...)
そうすると扉がぎぃ...と開いて
「おにーさんみーつけた...私と遊びましょ❤」
さっきの可愛い顔と一変してあなたを逃がさないという意思が込められているような笑みを浮かべこっちをじっと見ている。その手には...金属バットを持っていた。
「...あのさひとつ聞いていい?君の名前はゆねちゃんかい?」
「そうだよおにーちゃん...よく知ってるね!」
やっぱりそうなのか...と考えていると
「お兄ちゃんちょっと我慢しててね...」
ゆねはそういうとどん!と鈍い音がしてそのまま意識を失った。
(あれ?今日意識失うこと多くない?)
「んん...」
目を覚ます。
(あれ?ここ見覚えある...最初に目を覚ました時にいた部屋だ。)
そういって横を見ると
「ふえっ!」
そこにはよだれを流して寝ているゆねがいた。
「か...」
「かわいい!!!!」
思わず抱き着いてしまった。
「んん...?あっお兄ちゃん起きたんだねぇ...❤」
「...え?俺何してんの?...あれ?体が動かない...」
「えっ?なんで動く必要あるの?このままいようよお兄ちゃん❤」
(俺これ知ってる...監禁だ...しかも俺なぜか動けないし...どうしよう)
「そうだね!大好きだよ!!ゆねちゃん!」
(俺何言ってるの?!...これもしかして洗脳なりなんなりされてる系?!...オワタ)
「私もだよ!ぎゅー!!」
(あっ...ダメにされるやつ...)
「やっぱりお兄ちゃんかっこいいし良いにおいする!!」
「ありがとう...]
祐介は本気で好きになりかけていた。
(いやこれはえぐい!!可愛いし優しいし好きになっちゃいそう...)
そのままもう一回寝てしまった
とある夢を見たらしだんご...もう二度と言わないから許して。
「あははぁ~ゆねちゃんおいでぇ~」
「まってぇ~!」
二人が追いかけっこをしている。それは見たら一目瞭然だった。楽しそうだな...と思ったら急に一人の少女は消えてった。すると少女は急に泣き出して
「まって!!私を一人にしないで!!」
と何度も叫んだ。喉が壊れるまで叫んだ。ずっと...ずっと...
「夢か?」
目が覚めるとこれで3回目になるゆねの部屋だ。なんかもう自分の家に見えてきた。
いやいやダメだろ!と自分に喝を入れながら辺りを見渡すとこれまた4回目のゆねである。
「可愛いなぁ...」
そう...すっごくかわいいのである。
見れば見るほどに愛したくなってしまうのである。
しかし彼女は見た目とは裏腹に金属バットで気絶させるほどの鬼である。
(とりあえず出ないとなぁ...)
少年はベットから起き上がって部屋を出ようとするとゆねが急に起きてドアの前に立ちふさがり
「お兄ちゃん。ベッドで寝ましょう❤」
そう囁いた。その瞬間意識がぼーとなって...
(あれ?なんで俺ここにいるんだ?ご主人様がいるのに...)
そうしてベットに横になってゆねをなでながら
「好きだよ」
と何回もささやいた。
少女は気持ちよさそうに...ちょっぴり恥ずかしいのか足をばたばたと動かした。
ちょっとした後
(あれ?俺なんでベットにいるんだ?)
祐介はささやかれてからの意識はない。でも確信したことはある。
(多分ゆねの声を聞くかゆねを見るかよってあの状態になるんだろうな...)
でも一つ疑問に思うことができた。
(なんでホラーゲームに吸い込まれた挙句にこんなヤンデレに出会うの?)
元とはと言ったらホラゲの耐性をつけるのと涼しくなろうとしてるのに、少女は怖くないし(ある意味怖い)ベットにくるまって暑いし...真反対である。
(とりあえず扉まで場所を覚えて目をつぶりながら逃げるか。)
起きてすぐに目をつぶってドアまで走って開けて廊下に出る。
「あ、まって!...そっか...もう逃げるのか...ここじゃダメなんだね...ここじゃ...」
祐介が出て行った後の部屋でゆねはぽつーんとつぶやき悪魔のような微笑みを浮かべた。
そのころ祐介は...
「あっ...これ玄関のドアじゃね?」
そこは玄関らしき場所で大きなドアがあった。
祐介はその扉に触れた。そうすると
「うわっ...」
大きい扉なのに少しの力で開いた...なぜだろう...こんな大きいドアだったら全力で開けようとしてもあかないはずなのに...そうすると
「おにーちゃん!!」
ゆねが走ってくる
「やっべ早くいかないと...」
もう考えている暇はない。早くいかなければ...こんなチャンスはもう来ないだろう。
そう思うと体は勝手にドアに向かっていった。
(うわっ...この感覚知ってる...気失うやつだ...)
やっぱり気を失うプロは感覚で気を失うかわかるらしい。
案の定そのまま気を失った。
「んン...」
目が覚める。
「おぉ...お久しぶりだ...我が家...」
久々に見る我が家に感動している祐介の家のインターフォンが鳴った。
「誰だろう...新聞屋さんかな?...断るのめんど...」
そうして出ると...そこには少女がいた
「さぁ...愛し合いましょう...ダーリン❤」
ゆねは祐介の家に入って動かない祐介を布団の方に押し倒した。
「あなたは私のもの...そうだよね?」
「うん...僕はゆねのもの...ゆねはご主人様...」
「もう離れないでね?...マイダーリン❤」
ホラゲーに吸い込まれて幽霊キャラの少女に溺愛されて監禁される 鬼雨とゐふ者 @moti0920
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