第3話
その後は、素振りから攻撃の躱し方、流し方などを教えてもらった。私とまこちゃんは初めてだったから最初の方はうまくいかなかったけど、攻撃の躱し方だけは上達が早いと褒められた。それ以外については基本的なことを抑えただけで、あとは反復練習とのこと。因みに舞ちゃんはエレナさんからすごくうまいととても褒められて、教えることがないとも言われていた。流石舞ちゃん! とそんなことを思いながら一通りの講習が済んだところで、エレナさんにこんなことを聞かれた。
「とりあえず、戦闘訓練についてはこれくらいにして、何か知りたいことがあったら何でも聞いてね。あ、もちろん、私の答えられる範囲でなら応えるからね」
そう聞かれたので、私達はこの世界の分からないことについていろいろ聞いてみることにした。
魔物について
世界について
貨幣について
ステータスについて
などなど
まぁ、いろいろなことを知らない私達にエレナさんは首を傾げていたけど丁寧に説明をしてくれた。
とりあえず今回は魔物、世界、貨幣、ステータスについてエレナさんから聞いたことをまとめると。
魔物については魔力を持っている凶暴な生き物で、体内に必ず魔石が存在していること。ただ、狂暴と言っても弱いのから強いものとG~Sのランク分けをされている。一部魔物は人の言葉を話すことも可能らしく、場所によっては称えられている魔物もいるらしい。
世界については、この大陸には5つの国があること。それは、現在いるレイセヘル王国とラインハルト王国、グレンタス王国、アイーダ神聖帝国、エスティア帝国がその5つの国だ。
ラインハルト王国とグレンタス王国は同盟関係にあるため情勢は安定していて、アイーダ神聖帝国はアイーダ教を崇拝している宗教国家で、どこの国にも支部が存在する。エスティア帝国は武力国家で力がある者は優遇されるらしい。そしてレイセヘル王国は、度重なる魔大陸との交戦状態と言うこともあって情勢も不安定らしく、戦況をよくするために勇者召喚を行おうとしていとのこと。
まぁ、その勇者召喚に呼ばれたのが私達なんだけど、この辺りのことはみんなで話し合ってどうするのか決めようと思う。
因みに勇者召喚については私達が関係していることだけど、こうやって他の人から聞いてみると、王女から聞いた内容と大体はあっているみたい。でも、レイセヘル王国が魔大陸へ侵略していることは知らなかった。まぁ、あの王女達のことは怪しいと思っていたからこうして城を追い出されたことはよかったのかもしれない。
そして貨幣についてはどこの世界でも通貨は同じらしい。貨幣は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、光金貨となっていてこの世界の生活等のことを聞いてみると鉄貨が10円、銅貨が100円と10倍になる感じで光金貨だと100万円ぐらいの価値になるみたい。つまり王女が準備したお金は日本円にして30万円。……それで3カ月も暮らせるのだろうか? と思ってエレナさんに一人暮らしだとどれくらいのお金がかかるのかを聞いてみると金貨10枚程あれば質素に暮らせると言った。
まぁ、王女からお金をもらったときは、きっとかなりぎりぎりのお金を渡してくるか足りないだろうなぁ……。と思っていたのでなんとか暮らしていけそうなくらい貰えていて少しホッとした。
でも、あの王女のことだ、お金の価値とか分からないから大分ケチって用意させたに違いない。とそんなことを思った。
ステータスについて聞いてみるとほとんど王城で聞いたことと同じだったけど、持っているスキルによってはステータスの上昇率が変化することを教えてもらった。なんでも、勇者というスキルはステータスの上昇率を2倍にする効果があるとか。まぁ、私には関係ないか……。
それとステータスの平均については王城で聞いていた内容と少し違う部分があった。それは抵抗力と運についてだ。王城では10を超えていれば凄いとか言っていたけど、普通の人でも平均20は超えているらしい。もしかしたら、貴族に生まれてきたことによって運を使ったから低いのかもしれないけど。
まぁ、そんな感じで知らないこと、王城で聞いた内容と異なっていることなど知ることができた。他にも知らないことはたくさんあるからエレナさんにいろいろと教えて貰えてかなり助かった。
「他にも何か聞きたいことはありますか?」
「私は大丈夫だけど、みんなは大丈夫?」
そう言うと2人とも頷いたので、とりあえずは大丈夫みたい。
「大丈夫みたいです。また、分からないことがあったら聞いてもいいですか?」
「はい。大丈夫ですよ。それでは、受付の方でお待ちください。私は少し準備をしてきます」
そう言ってエレナさんは戻って行った。そんなエレナさんを見送っていると肝心なことを聞き忘れていたことを思い出した。
「……あ、宿を聞くの忘れた」
「え? 忘れていたの?」
私がそう呟くと舞ちゃんが驚いた様子でそう聞いてきた。
「気付いていたのなら言ってよ」
「まだエレナさんと会うから後で聞くのかな? と思っていたから」
「確かに。その時にちゃんと聞こう」
「そうね。今度、真奈美が聞き忘れていたらちゃんと教えてあげるね」
「お願い」
そう言って私達は受付カウンターへと移動したのだった。
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