第2話
それから光が治まり目を開けるとそこは、見慣れない建物の中にいた。周りを確認すると先ほど話していた舞ちゃんが近くに居たので近くにあった自分の荷物を持って移動した。
舞ちゃんは、困惑をしながらも周りの様子を見ていたので私も周囲の様子を確認してみるとバスに乗っていたクラスメイトは居たけど、先生とバスの運転手はいなかった。
「舞ちゃん、先生達がいないよね?」
「……そうだね。多分だけど、バスに残っていた人がここにいるみたい。眩しく光る前に先生とバスの運転手はバスから降りていたから」
「そうなんだ」
そんなことまで見ていたのか……。と思っていると物陰から人が何人か出てきた。しかもローブを着ていてはっきり言って怪しい人達だ。
私達は出てきた人に警戒をしていると大きな扉が開き始めた。一体何が起こるの? と思いながらその扉を見守ると中から鎧や剣などを身につけている人が何人も出てきた。
いつの時代の服? という感じの悪目立ちしている服を着た人が数人出てきた。それに比べて落ち着いているように見える服装の人も何人か入ってきた。
「おい、あいつら誰だよ」
「知らないわよ」
「なんか教科書で見たことある貴族っぽい感じだぞ」
「言われてみると確かに」
「もしかして、あれじゃないか? ほら、異世界召喚されたとか」
「いや、まさか……」
とクラスの何人かのグループがそんなことを言っていた。
「舞ちゃん、何があったと思う?」
「私にも分からないわ。とりあえず今は大人しくしているのが無難だと思うけど……」
「確かにそうかもしれないね」
そうして出てきた人達をみていると1人の女の人が前に出てきた。
「皆さん聞いてください」
その声はざわついていた私達にもよく聞こえる声で響きすぐに辺りは静かになった。そしてこれから何を話してくれるのだろう? とそんなことを思っていながら女の人が話し始めるのを待った。
「……私はこの国の王女セルジア・レイセヘルと申します」
と言ってスカートの裾をつまみながら優雅に一礼をした。その様子に私達の前にいた男子生徒が見とれているようで耳を赤くしている生徒が何人もいた。一方女子はというと王女ではなく王女が身に着けている高そうな宝石を見てうっとりしているとか頬に手を当てている人がいる。因みに私はというと早くこの状況を説明して欲しいという思いで一杯だったが……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます