親父、お前もか?

「おやじ! 俺、トイレしたいんだけど、まだ?」

「あっ、あぁ。今、今出るから」


 そう言って出て来た親父の様子が変だった。


 まさか、親父も鼻からうんこが……?

 いや、ないない! 

 親子で鼻からうんこなんてなぁ。


 ふと、おかしなことを考えてしまった俺だが、直ぐに妄想を打ち消して用を足す。


 うん、今日も立派なうんこだ!

 鼻から出たけどな。

 でも俺は、元気。


 手を洗い、朝ご飯を食べようとするも、やっぱり親父が変だ。

 気になる。



「おやじ、どうした?」

「あっ、なんだかな、お悔やみの欄が多いなぁと思って。亡くなっている人が、若い人からお年寄りまで、ちょっと気になってな」


「あぁ。やっぱり、自殺した人?」

「さぁな。そういうのって、書かないから」


「そうだよな。自殺とか事故なんて書かないよな」

「自殺かぁ……そうかぁ」


 ん? 

 やっぱり変だ!

 これは、トイレで何かあったとしか考えられない。

 

「親父、変なことを聞くけど、驚くなよ」

「うっ、なんだ?」

「もしかして、鼻からうんこが出たのか?」

「&%$#$%&&%$#」


 明らかに焦っている。

「親父、安心しろ。俺は、二か月前から鼻からうんこしている」


 ガッシャーン!!!


 台所で、皿の割れる音が聞こえた。

「翔! 本当なの?」


「うん。宇宙人に遭遇して、体を改造されたみたいなんだ。って、おかん、俺の話を信じてくれるの?」


「うん、うん、うん。信じるわよ。だって、私も……」

 そう言っておかんは泣き崩れた。


 親父、そして、おかん。


 まさか二人共、改造人間にされていたとは…………

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