17人目 愛の音を奏でましょう

綺麗なお花畑「わぁ、キレイ。」さん…ありがとうございます…ミュージシャン…見たことないから何とも言えないな...


ということで今回は綺麗なお花畑「わぁ、キレイ。」さんからのネt…シチュエーションで書かせていただきました!!本当にありがとうございました!これからもお待ちしてます(((


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「「ありがとうございました!!」」


ここはそこそこ大きめのライブ会場。


俺たちは最近売れ始めてるミュージシャンで今はライブをすると満席になるほどには売れている。


ライブと言ってもお客さんの前で歌を歌う…恥ずかしいけど慣れたら楽しいもんだ。


「疲れたね!友音!」


「うん!」


俺の相方は友音というんだが最近ライブ中なんかつらいようだ…


多分他の人には気づかれていないようなんだが俺はわかる…なにかつらいことでもあったのだろうか…


「友音?…最近つらいことあったか?」


そう聞くと友音はびっくりしたように


「え、なんで?」


「いや…ライブ中とかあまり元気なさそうだし…」


横をふと見ると頑張って作ったような笑みを浮かべているのかとすぐにわかる。


「い、いや…大丈夫だよ…」


「本当か?…なんかあったらなんか言ってね」


「うん…」


大丈夫だろうか…俺は心配で心配で仕方なかった。


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ミュージシャン…私はこの職業が好きになれない。


みなとという相方のことが大好きなのだがミュージシャンの活動で彼に伝える時間なんてないし活動中以外触れたりして彼を感じることができないのだ…


なぜ好きか?…私は一人だからだ。


親もいなくて話す人だってどうせ私の体目当て…高校の時にそれを知った。


でも彼は違った。


私をひとりの人として見てくれる。


それが彼のいいところであり惚れるところなのだ。


実際私は彼にガチ惚れしてしまったのだ。


「つらい…」


彼が愛おしいのに…このまま何もできないままほかの女のところに行ってしまうのか?……それは嫌だ。


じゃあどうするべきか…最近は仕事も落ち着いて休日もちょくちょくとある…これを使って彼に告白しなければ…


でも…もし断られたら?


断られたら……彼は私をどう思うのか…


彼は気まずさでやめるかもしれない…


嫌だ…彼ともっと一緒にいたい…彼のそばにいて支えたりしたい…私だけが…私だけが彼専用のポジションにつきたい…


でもそれができるのかな…


どうしたらできるのだろうか…


途方に暮れていた私は友達に相談しているといいことを聞いた。


彼女曰く【つらい状態のままずっといるとだんだんおかしくなってそのあとに少し優しくするとすぐに堕ちる】だとのこと…


まぁつまり簡単に言ってみれば洗脳か…


やってみる価値はあるかもしれないができなかったらどうしよう…


いや?…まてよ…ずっと監禁しちゃえばよくないか?


できないかったときにはずっと監禁。


それだったら何にも怖くない…


ということで私はそのための作業を始めた。


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ヴーヴー


「んんっ…」


スマホのバイブ音で目が覚める…


「んあ…」


朝に弱い俺は変な声を出しながらスマホを見る。


『話したいことがあります。」


友音からのメッセージだった。


たったの1文…


でもそれだけでも彼女を見ている俺にはどの件のことくらいはすぐに思いつく。


さっきまでの朝の眠気は吹き飛びとりあえずは返事を返す。


『了解…どこで話す?…あと時間はいつでもいいよ。」


「じゃあ13時に私の家で…あまり人に聞かれたくないから…」


「おっけ」


そんな会話で終わった。


やっぱりつらいことでもあるのかなと彼女との思い出を振り返る。


彼女と出会ったのは7年前…高校1年生のころだった。


いろんな人にやさしく接していてとてもいい子だなと思った。


でも俺はその時までは彼女とはあまり話していなかった。


話し始めるようになったのは高校3年生のころ…彼女から話しかけてくれたのがきっかけだ。


他の人と話すよりも明るく見えた。


彼女は人付き合いがいいんだろうなと思った。


大学も一緒らしい…驚いた。


高校に入った時のように誰も知らない人だらけのところに一人で行くのはかなり憂鬱だったから助かった。


大学に入ったら軽音楽サークルに入った。


軽音楽が好きだった俺は楽器に触れてみたかった。


彼女も入った…なんかすごいな。


軽音楽サークルで2人グループ作って発表をすることに決まった。


そこで俺たちの初めての活動になる。


二人で話し合いちょっとしたことで笑いあい…


それで発表したことはとても楽しかったし何度も言うがこれのおかげで今の自分たちがいるのだ。


……振り返るとすごいなぁと思う。


朝ご飯を食べてお風呂に入って彼女の家に行く支度をする。


どんな話を彼女はするのだろうか…


そんなことを考えながら支度を終えそのまま彼女の家に行く。


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ピンポーン


彼女の家のインターホンを鳴らす。


「はいはーい」


インターホンからは彼女の声が聞こえて中からがたがたと走ってきているような音が聞こえる。


「こんにちは…湊くん。」


「あぁこんにちは…大丈夫?」


「まぁ聞いてくれるだけでいいの…


「ん?」


「まぁいいから中に入って。」


なんて言っているのかわからなかったけどとりあえずは家に入る。


「お邪魔します。」


そういって椅子に座る。


「はい紅茶…紅茶苦手だっけ?」


「いや?好きだよ?」


「よかった…これ私の好きなものなんだ…」


「へぇ…いいじゃん」


そういって一口飲む。


「あ、おいしい。」


ふんわりとした感じにハーブの香りがふわっと広がる。


優しい味に包まれて眠気がやってくる。


まぁ耐えれるけど…


「で?今日はどんなことで?」


ついに本題…


ちょっと緊張してお茶をもう一杯。


「あ……れ…」


さっきまでの眠気が強くなって…


「どうしたの?…眠い?」


「あ…う……ん」


そのまま意識が落ちていった。


「寝顔可愛い…はぁ…たまらないわ…」


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「んん…」


ここは…さっきの部屋とは違うけど一回来たことがある…


「…友音の部屋?」


意識がはっきりしていくと誰の部屋かがはっきりとしてきた。


「せいかーい…よく覚えてるねぇ湊はいい子だね❤」


そういってよしよしされる。


「まっ…て?」


そう言おうとするとじゃらっと音がした。


「え?」


よく見ると腕はひもで結ばれていて足は金属のようなもので固定されていた。


「ゆ、友音?」


「さっきの話をするね!…さっきの話は君のことがだーすきってこと❤…でも君は受け入れてくれないだろうから」


「え?…そ、そういうこと?」


「そういうことって何?」


「俺も好きだけど…」


「え?」


こんなことをされていう話じゃないけど…


「じゃ、じゃあさ!!私以外の女と話さないし私の作ったもの以外食べないってことだよね?」


え、な、なんだよそれ…


「あ、あと毎日何があったのかも報告してくれるんだね?…いやぁやっと湊の日常をつかめるよ…でも相思相愛かぁ…」


彼女は久々ににっこりとしていた。


「え、いやっ…なんだよそれ…」


「え?…もちろんいいよね?…私のこと好きだもんね❤」


「い、いやに決まってるじゃん…なんでそんな…」


「は?…やっぱりさっきのことは嘘だったんだ…ふーん」


彼女の瞳は徐々に濁っていき怒ってるように見えた。


「そうだよ…ミュージシャンなんてさ!!私たちの愛を壊してるじゃないか!!ミュージシャンのせいで君は壊れてるんだ……君と入れる時間が長くなると思って一緒に始めたけど君との愛の時間が無くなるミュージシャンなんてやりたくない…君もそう思うよね?」


彼女の声にはまるでものを押しつぶすような…そんな覇気が感じ取れた。


「なんで何にも言わないの?…やっぱり君は壊れてたんだ…そっか…ならもっと壊れなよ…」


そういって彼女はヘッドホンを俺の頭にかぶせると、


「じゃあまたあとで。」


そういって去っていく。


すると同時にヘッドホンからベースの音が聞こえてくる…でもどれも不協和音で聞くにたえない音ばかり…しかもこの身動き取れないのが相まって頭がおかしくなりそうだ。


「止め…て……」


頭を駆け巡るこの不協和音…つらい…


「助けて!!…お願い…俺が悪かった!」


どんなに叫んでも彼女は来ないしやめてもらえない。


「あぁぁっぁぁぁ…」


もう言葉にできないくらいつらい。


「あぐぁぁぁぁぁ…」


助けてよ…


「あぐっ…あぁぁあ」


誰か…


「いらぁぁぁ…」


お願い…


「はぅぐ……」


すると


「大丈夫?」


そこにいたのは友音だった。


「たすけて…」


「じゃぁ聞くよ?私のこと好き?」


「あぁぁ…だい…すきぃああああ」


「ふふふ…涙とよだれで汚くなっちゃって…でもかわいい…」


彼女は音楽を止めると、


「大丈夫…君は私のものになれば二度とそんなことは起きないよ…ほかの女はこうしてまで手に入れようとするんだもん…私の方がいいよね❤」


あ…れ?…なんか彼女が変なことを言っているように感じた…でも彼女の言うことは絶対だし…


「そうだね…友音が一番大好きだよ…愛してるよ。」


そうして二人のミュージシャンが消えたのだとか…


「大好きだよ…湊…ずっと私に堕ちてね…ダーリン❤」



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