12人目 奴隷...初めての愛は重い愛


奴隷...今では当たり前になったありえないもの...


今の日本は人権は金が握っていて金がない...もしくは奴隷の子は強制的に奴隷なのだ。


かくいう僕もその一人で...物心ついた時から親はいなく知らないおじさんやおばさんに仕えては無茶なことを強要されできなくて暴力される。


青あざは何個できているだろうか...


唯一のマシな仕事は買い物だけだった。


「ほら...買い物行ってきなさい」


何もしないおばさんはふてぶてしく買うものを何も言わずに買い物に行けと命令する。


これもまた僕に暴力をするための理由付けなことだと3年前から気づいた。


...え?これがましな仕事なのかって?


もちろん...どうせつらいのは最後だけ。


買い物に行く分にはつらいことなんて何にもない。


「行ってきます。」


どうせ何言ってもなんも言ってくれないことはわかっていても言ってしまう。


行ってきますはおじさんが仕事に行くときにおばさんに言う言葉でおじさんがそういうとおばさんは行ってらっしゃいと声をかける。


その二人の顔が僕には見せない優しい顔なのである。


僕もそんな顔で行ってらっしゃいと言われたいのかもしれない...でも無理だとわかっているのだからつらい。


家を出て町の方に歩く...


歩いている途中で歩いている女性が財布を落としたのを見た。


「...届けてあげた方がいいよな...でも僕なんかが触って...」


少し考えたがお金の方が大事だしほかの人に取られたら多分戻らないだろう。


「あ、あの...」


「ん?」


彼女はすこし困惑したように返事をすると


「これ...落としましたよ...」


僕は落とした財布を彼女に渡すと「触ってしまって申し訳ございません...では」と言ってその場を去った。


「彼は...奴隷?...」


僕はそのまま買い物をした。


彼女に見られているとは気づけないまま。



__________________________________


「お前また買うもの間違えてるんじゃねえかよ!!」


ぱん!


乾いた音とともにほっぺに痛みが走る。


「ごめんなさい...ごめんなさい...」


必死に謝る...もう痛いのは嫌だ...


「謝るだけならだれでもできるんだよ!!」


そういって何回も何回も叩かれては蹴られ...また青あざができた。


「ごめ...ん...なさい!!」


「お前もう謝ることすらできなくなってるんだよ!!マジで使えねぇ...出てけ!!」


そういって首をつかまれたまま外に出された。


「痛い...痛い...」


出された後は蹴られ叩かれでボロボロになった身体を必死に動かしながらどこか楽になれる場所を探した。


「君...大丈夫?」


そこには前に財布を落としていたお姉さんがいた。


「だ...大丈夫です...奴隷なんで...ほっといてください...」


もう生きることが嫌になる。


身体は動くことすらできなくなった。


「で、でも!きみ...それじゃ!」


「言いましたよね?...僕は...奴隷です......ほっといてください...」


そういうと意識までが途切れていく...あぁ...彼女には申し訳ないことをした...僕みたいな奴隷の最後を見届けてしまうなんて...


「...逝かせないよ」


彼女は彼を背負うと家へ連れて行った。




______________________________________


暑い...あと痛い...


「っ痛」


そう声を出すとだんだん意識が戻ってきた。


「...ここは...天国?」


そこはどこかの部屋であり前まで自分がいたところとは広さも綺麗さも変わっていた。


「おはよう。」


そこには最後に見た女性がいた。


「傷は癒えないかもだけどだんだん良くなっていくよ。」


「......んで?」


「ん?」


「なんで僕にそんなに優しくしてくれるんですか?」


さっきまで疑問だった。


もともと奴隷だった僕はどうせ誰にも助けられず死んでいくはずなのに...


僕なんて助けても得なんてしないはずなのに...


「なんでって...私が欲しいと思ったからだよ。」


「えっ?」


欲しい?...僕を?


「最近は物騒なのは知ってるでしょ?...特に道端に財布とか金銭なんて落としたら100%戻らないなんて当たり前だし...つまりあんなほかの人から見たら何があっても手に入れたいものを君は親切心のために捨てた...それはほかのどの人より立派なことだと思う。」


「えっ...あっ...」


とても恥ずかしい...なんかとても褒められた...


...「まぁ君が可愛くて...ずっとストーカーするほど好きだからなんだけどね...」


「はい?」


なんか言ってた気がしたがあまり聞こえなかった。


「まぁ...ご飯でも食べよう」


そうやって彼女はご飯やおかずをテーブルの上に置く。


「何してるの?」


僕はただ部屋の隅で体育座りをしていた。


「え...だって奴隷だから...ご飯なんて食べちゃダメだし...」


前の家にいたころはご飯なんてないものだと思っていた。


「な...なんで?...きみ...もしかして...」


そういって彼女は僕に近づくと絶句した。


「...嘘...私ただ君が軟弱だからこんなに痩せこけてるんだと思った...もしかしてご飯食べてなかったの?!」


なんで彼女はそんなにびっくりしてるのだろう...


「た、食べて...早く...」


そんな食べてもいいのだろうと思っていると


「ご主人様の命令よ?!」


「わ、分かりました...」


僕みたいな分際でご飯を食べてしまった。


「...君...助けないと...」


彼女はずっと何かをつぶやいていた。


「じゃ、じゃあさ!!...ちょっとしたマジックね!!」


急に何を言うのかと思ったらマジックをしようとしているのである。


「これ見ててね!!」


彼女は指をくるくる僕の目の前で回す。


くるくるくるくるくるくる...


なんだか瞼が重い...


「リラックスして...周りのことなんて気にしないでただ私の声を受け入れましょう...」


この声が僕を楽にしている...とても気持ちいい。


「あなたは私の言うことは何でも聞きます...なんでも...です。」


あぁ...僕は彼女の言うことは絶対聞かないといけない...


「そしてあなたは私のことが大好きになります。」


そっか...僕は彼女のことが大好きなんだ...


「そして自分の欲を私に正直に見せてしまう...」


欲を...しめす...


「5秒数えるとそうなります...1,2,3,4,5!!」


ぱん!と手をたたいた音が聞こえると意識が戻ってくる。


「あっ...えっと...」


「私の名前は石川 由衣...ゆいって呼んでね!!」


「ゆ、由衣?」


「なーに?」


彼女を見ていると体がぞくぞくして心臓もバクバクいう...なんなんだこれ...


「どうして目をそらすのー?」


「え...いや...」


由衣を見ると心臓がバクバクするからなんて言えない...


「ふふっ...もしかして私のこと好きなんでしょー!!」


どきっ...となった。


「い、いえ...」


「え?好きじゃないの?」


「えっ?」


彼女の方を見るとさっきとは違う意味でぞくっとした。


彼女の眼は黒くよどみ始めて...彼女から出るオーラがだんだん恐ろしくなってきた...


「きみ...まだ私のこと好きじゃないの?...催眠をかけてもならないなんてすごいわね...でもそんなことで私も終わらないよ...君の体や心までを私のものにするんだから...」


彼女はこっちに体を寄せると...


「これでも好きにならないの?」


耳の近くで囁き始めた。


「はぅ...」


変な声が出てしまった...


由衣が囁くと耳に彼女の吐息が入り暖かい風は僕の体の中を駆け巡り脳を刺激する。


「ふふっ...びくびくしてるの可愛い❤」


ここからはもう彼女の言いなりだった。


最初は一緒にお風呂に入り僕の体がきれいになった後いろんなところをなめてきたり、僕の頭を由衣の膝において膝枕をしながら彼女の豊胸に顔を押しつぶされたり...


「ねぇねぇ...幸せ?」


「う、うん...」


「よかった❤」


彼女は嬉しそうにしていた。


でも僕は...泣いていた。


「ね、ねぇ...」


「ん?...なんで泣いているの?」


「こんなに幸せくれた...僕何もできない......もしかしたら捨てられるのかと思って...」


涙が止まらない...由衣の優しさが今の自分を支えているのかもしれない...だから由衣に捨てられるかもしれないと考えるのがとてもつらい。


「大丈夫だよ...君のことが大好きなんだから...」


「ほ、本当?」


「本当だよ...」


そういってほっぺにチュウをしてくれた...


「ひあわせぇ...」


「はぅ...その可愛いのずるぃぃ...」


僕が顔を緩めていると由衣は僕のことを抱いてそのまま舌が絡まるキスをした。


「んん...はぁはぁ...」


10秒くらいキスが続くと彼女は僕の耳を舐めた。


「ひゃん!」


もう...理性が失われていく...


彼女が僕の耳にふぅとしたとき...僕が抑えていた理性は消えて由衣に抱き着いた。


「あはは...やっと私好みのきみが完成した❤...大好きだよ...」


そのまま由衣の快楽に溺れていった。


そのまま僕は彼女に依存していった。



______________________________________


作っていてこれはヤンデレなのかと思い始めまちた...


依存させていく系...はぁ...想像してたら来てほしいって思ってしまった...ダメだだめだ...

ただ一つ言えることは...うらやましいいいいいい...


今回はちょっと長めでした...どうでしたか?

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