未来予知と君との天秤
紅ピカ
第1話 医療魔法科専門学校「マーホ」(フィー編)
『自分は大丈夫。けど、自分の身近な人間が不幸になるのは黙っていられない。』
これがフィーの口癖だった。
常に他人が幸せになることを重点に物事を考える少女フィー。そんな彼女は今年の春で高校を卒業し、医療魔法科専門学校「マーホ」に通う予定だった。
彼女には父親がいない。数年前不治の病である「ダウオム」にかかり死亡した。それからは母親とフィーの2人で幼き弟を育てている。
今日はマーホ登校初日。これから魔法について勉強し、父親を襲った不治の病ダウオムやその他の未知の病を解決する魔法学者になるのがフィーの夢だった。
フィー「行ってきます!」
母 親「気をつけてね~」
弟はまだ寝ている。まだ3歳ほどの幼い子だ。
フィー「ん~良い天気。電車は・・・『マーホ経由ミーン行き』に乗れば良いんだったね。よ~し頑張るぞぉ」
この世界には魔法が存在する。主に5つの適正に分けられ、そこに3つの属性が加わり組み合わせは15種類になる。かつては4属性で構成されていたのだが、4つ目の属性である「闇」は不治の病ダウオムをもたらした元凶とされ、闇属性を持つ者は一切の魔法を禁じられることとなった。
基本的に高校までは基礎魔法を叩き込まれ、社会に出るまでに一度適性検査を行う。これが入試みたいなものだ。その適性により、「攻撃型」「守備型」「医療型」「観測型」「統率型」にわけられオススメの進路先が決定するというわけだ。
フィーは適性検査の結果「守備型:医療型:統率型」の比率が高く「医療型」を勉強しようと決めたのだった。
フィー「今日からマーホに通えるんだぁ。ここでたくさん勉強して私はダウオムを治す救世主となる!やってやるぞぉ!」
「守備型」「医療型」はその特性上、女性に適性が見られることが多い。また、これは生まれ持った資質によって適性が決まるため、本人の努力などで変えられるものでは無い。
家から電車一本で通える距離にマーホがある。通行の便宜も良くこの魔法世界でも有数な学校の一つだ。
フィー「着いたぁ!ここがマーホ。おっきいなぁ・・・」
女性が多いということもあり、校舎は桜色で統一されたキレイな彩りをしており、校舎全体に斑点模様が散りばめられている。そこが窓となっており、あたかも四角い桜の木がなっているかのようなデザインだ。
フィー「お父さん。私やるよ。このマーホでダウオムの特効薬を作る!私は医療型の魔法使いとして人類の救世主になるよ!」
フィーはそう意気込み、マーホの中に足を踏み入れた。
この魔法世界は誕生してからまだ日が浅い。人が持つ魔法の能力も未だ未知数であり、近年では5つの特性に絞りきれない新しい特性を持つ魔法も出てきている。
伝染病であるダウオムを治すため、進学したマーホ。ここからフィーのお話が始まる。
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