第26話 ボクと彼女の誘惑三昧なお風呂タイム+その後
ボクは今、最大のピンチを迎えている。
え? 理由?
それは、これからボクが彼女とお風呂に一緒に入るという頭の中が暴発しそうな展開に陥ったからである。
彼女と一緒にお風呂に入る―――。
改めて紹介するけど、ボクの彼女である神代遊里さんは、聖マリオストロ学園高等部の中でも学年で1、2位を争える美少女。しかも、スタイルが大変よろしく、おっぱいについては一級品…いや、この年齢だと規格外品がくっ付いている。
そんな彼女から、上目遣いで「お風呂一緒に入ろ? ダメ?」って言われて断れるわけがない。
そりゃあ、一度、あっちは経験済みだけど、その時はお互いが恥ずかしがっていて、そんなにマジマジと見ているわけでもない。
つまり、お風呂に入るというのは、そういう点でも新鮮なことだったりする。
「ボクの家のお風呂、そんなに広くないよ」
「大丈夫、大丈夫。お風呂の構造くらい知ってるって。私、君の上の階に住んでるんだから…」
あ、そうだった―――。
遊里さんのお部屋はボクの上の階の全く同じ場所。
つまり、ボクのすぐ上は、神代家のお風呂場だ。
ボクと遊里さんは今、脱衣所で一緒に服を脱いでいる。
何だか、すごく恥ずかしい…。
「うーん。あまり深く考えていなかったけど、脱衣所で異性の同級生と一緒に服を脱ぐって言うのは、教育上あまりよろしくない行為なのかもしれないわね」
遊里さんは冷静に言いつつも、デニムのショートパンツを脱ぎ始める。
当然脱げば、下着しかない。ピンク色のショーツが目に飛び込んでくる。
「ど、どうしたのよ。別に下着くらい、昨日も見たじゃん。逆にしっかりと見られるとこっちが恥ずかしいよ…」
「ああ! ごめんなさい。ボクもさっさと脱いじゃいますね…」
深夜11時に脱衣所で高校生のカップルが一緒にお風呂に入るために服を脱ぐ。
なかなか無いシチュエーション。
案の定、ボクの理性は戦っていた。
「じゃあ、背中流しあいっこね!」
バスタオルを身体に巻き付けた遊里さんが声を弾ませながら、浴室に入る。
後ろに付いていくようにボクも一緒に入る。
「じゃあ、まずは、誕生日である私の身体を洗ってよ!」
「ええっ!? 背中だけですよね?」
「ううん。全部だよ♡」
え!? マジで!?
前の方は自分で洗ってよ…、さすがに。
「あ、隼って身体洗うの、このスポンジがあるんだ。これ、泡立ちが凄くていいんだよねぇ~」
「ああ、楓が買ってきたやつだね。まあ、別に使っても問題ないよ。ボクもたまに使ってるし」
「じゃあ、これでお願いしま~~~す♡」
ボクは手渡されたスポンジを洗面器のお湯に浸し、ボディソープをワンプッシュする。
ムギュムギュとスポンジを揉むと、きめ細やかな泡がたくさん生まれる。
「じゃ、じゃあ、洗いますね…」
「お・ね・が・い~♡」
遊里さんは身体をクネクネとしながら、ボクにお願いしてくる。
背中を優しくマッサージするような感じで洗い始める。
楓の背中も洗ったことがあるから、要領は心得ているつもりだ。
遊里さんの背中は、ボクと同じ身長があるとは思えないくらい、ほっそりとしていた。
それに、髪の毛を頭の上に巻き上げて、うなじが見えているのが何ともエロい。
「じゃあ、次は前ね。どうしたい? 前から洗ってくれるのか、それとも後ろから洗ってくれるのか。どっちがいい?」
「何となく、目線とか合うと恥ずかしいので、後ろから……」
ボクは後悔することになる。後ろから洗うということは若干、手探りで洗うことになる。湯気に満たされた浴室で、よく分からないけど、感覚を頼りに遊里さんの身体を洗っていくことになったからだ。
「えへへ。私も隼に洗ってもらえて満足満足! じゃあ、交代ね」
シャワーで泡を流しながら、遊里さんはそういった。
すごく自然な形で―――。え? 交代??
「いえ、ボクは自分で……」
「えーっ! そんなの悪いよ! お姉さんの言うことが聞けないってーの? 今日は私の誕生日なんだから、私の言うこと聞いてよね!」
渋々とボクは頷く。
彼女は「ふふふ…」と、不気味な笑いをボクの背中の方でしている。
ボディソープをスポンジに取り、泡立てる。
さっきのボクよりも泡立ちが激しい。
そして、そのスポンジを――――て、この感触はスポンジじゃないんですけど!?
「えへへ。一度、彼氏が出来たらこれやってみたかったのよね…」
「ちょ、ちょっと待ってください!? 何で洗ってるんですか!?」
「ふふふ…秘密~」
ボクの彼女は可愛いけれど、すっごくエロかったです…。
ボクと遊里さんは、お風呂の雰囲気そのままに濃厚な二度目を味わった。
ベッドに腰をかけて、ボクが遊里さんを抱きしめながら、濃厚なキスを交わし続けている。遊里さんはボクのベッドにある枕を抱きしめる。
「やだぁ…。この枕、すっごく隼の匂いが染みついている…。この枕、抱いていてもいいかな…」
え? 遊里さんって匂いフェチでもあったの?
ボクの枕で半分顔を隠して恥ずかしがりながら告白してくる遊里さん。
めちゃくちゃ可愛い。
ボクらは一緒にベッドの中で見つめ合っていた。
少し間をおいて、チュッとキスをする。
「あ、そうだ…。ボクから遊里に個人的なプレゼントがあるんだよ」
「え? ホント!? 御飯まで作ってくれたのに!?」
「うん。ちょっと目を閉じて待っていて」
「うん!」
遊里さんは目を閉じて、ベッドに座って待っている。
ボクは準備しておいたものを、スッと首に付けてあげる。
「いいよ」
「わあ、綺麗なネックレス…」
彼女の胸元には、ハートの中にムーンストーンが彩られたネックレス――。
「あ、私の誕生石なんだね…。真珠じゃないところが、分かってるじゃない!」
真珠はオバサンくさいとでも言いたいのかな…。
単に僕は真珠だとありきたりな感じがしたから、ムーンストーンにした。
そして、遊里さんはニヤニヤしながら、ボクに顔を近づけてきて、
「ムーンストーンの『宝石言葉』って知ってる?」
「え? ごめん。そこまで考えてなかったや…」
「もう! 彼女の誕生石のことなんだから知っておいてよね…」
「ゴメン…」
「『純粋な愛』よ―――。ありがとう、隼…」
遊里さんはそういうと、ボクに抱きつき、チュッチュッとキスをした。
「お誕生日おめでとう…。遊里」
何だか照れ臭いし、何もカッコいいこと言えないけど、ボクの思いは伝わったと思う。
彼女は心から喜んで、ネックレスを何度も見つめていた。
やっぱり僕の彼女は可愛い。
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