ラヂオな時間 -TWO WORLDS- (3)

@spaceblue

第1話 ショートストーリー 「幸せとは」

「ねえ、ニコ。今幸せ?」

「なんだ。急に。」

「だって普段笑うことも少ないし、どちらかといえば閉鎖的な性格じゃないか。そんなニコでも幸せだと思う時があるのかと思って、ふと心配しちゃって。」

「心配しているのか、失礼なのか、わからない質問だな。」

「どうなの?」

「そうだね…。今の生活に満足しているかで言えば幸せだと言えるし、まだ満たされていないと思える時もある。正直言って、幸せの定義なんてよくわからない。」

「答えになっていないよ。」

「じゃあ、こういうことにしよう。幸せというのは、その時その時、見方によって形を変える水晶のようなものだって。」

「なんか逃げた。ズルい。」

「こういう問いは答えがないんだよ。答えがないからこそ、人は幸せを掴む努力ができる。」

 トムは笑って聞き流したようだった。















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