ハイニナルクエスト
M&Ms
第0話:その日、世界から色が消えた
0-①
この世界には古くから伝わる言い伝えがある。
゛永遠は存在しない
例え神の御業でさえも…
封印はいつか解かれる
深き森の中で…
彼の者は目覚め
そして、全ては灰になる…゛
………
昔々原初の時代、世界には4体の神がいた。紅神ガイア、蒼神テティス、碧神ウラノス、そして白神ハデス。
紅神は大地を創り、蒼神は海を創り、碧神は空を創った。その世界に白神は魂を創り、世界は始まった。
最初のうちはうまくいっていた。争いのない平和な世界で、すべての生物が助け合って生きていた。
だが、百年、千年と時が経つにつれ、生み出される生物の中で、徐々に争いを起こすものが現れてきた。
魔物と呼ばれたその存在は、時とともに数を増やし、力をつけ…
そしていつしか、すべての生物の頂点となる、ある存在を生み出した。
魔王。神にも等しい力を得たそれは、すべての魂を無に帰す存在となり、ついには白神をも取り込んで、世界を脅かし始めた。
そこで、紅神、蒼神、碧神の三体の神は、自身の存在を懸けて、魔王を深い森の中に封印する。
だが、三体の神の命を懸けた御業も、魔王を完全に封印するまでにはいたらなかった。
白神を取り込んだことで、魂に影響を与えることができるようになった魔王は、徐々に…本当に徐々にではあるが、世界から自身の力を回収し、いつの日か完全復活を遂げるための術を世界に残した。
力をすべて失った三体の神は、いつの日か必ず復活する魔王に対して、決して警戒を怠らないように。そして自分たちではなし得なかった魔王を倒す術を伝承として残し、眠りについた。
………
……
…
だが、魔王封印からさらに気が遠くなるほどの長い年月が経ち、平和となった世の中においては、伝承はいつの頃からかただの作り話として信じられるようになり、真実を知るものも、数えるほどになってしまったのであった。
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