欲深爺と木こりの泉
昔々ある村に、とても強欲な爺が住んでいた。
彼は様々なものを安く買いたたき、高く売りつけることで生計を立てている悪名高い爺であった。
ある日、彼はいつも通り露店で法外な商売をしていたところ、村の木こりが山の中にある泉で、とても切れ味の良い剣をもらったという話を耳にした。
「しめしめ、このガラクタをその泉に落として、沢山の宝を貰ってやろう。」
噂に聞いた泉へ向かうと、すぐ近くに看板が立てられている。
そこにはこう書かれていた。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ―木こりの泉ガチャ― ┃
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┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
どうやらこの泉は「木こりの泉」と呼ばれているようである。
しかし、「ガチャ」とは何だろうか。
爺は「ガチャ」なるものを知らなかったが、ともかく今は宝だと泉にドアノブを投げ込んだところ――
「あなたが落としたのは、この [
泉の中から女神が現れていった。
「いいや、それじゃねぇ。」
噂通り泉から女神が出たが、話を聞いていた爺はもっと高価なものを求めて否定した。
「ならばこの、 [
「いんや、それでもねぇ。」
「では、この [
「いいや、それもちげぇ。」
その後もこの女神は [
(そろそろいいものが出るはずだ。しかし、高価なドアノブって何が出るんだ?)
「では、あなたが落としたのはこの [
普段ガラクタにしか接しない爺だが、それらの価値には気づいていた。
そしてどうやら、このマスターキーはあらゆるものを開けられるらしいと考えた爺はつい、こう言ってしまった。
「それだよそれ、ワシが欲しかったのはそれだ!早くそれをこちらに!」
それを聞いた女神は、
「嘘つきのあなたには何もあげられません。さようなら。」
そういうと女神は、全て持ち帰って泉に沈んでいった。
「しまった!あの木こりは正直に言ったから宝がもらえたのか。いや、しかし...」
しかし、爺が落としたのはただのガラクタのドアノブ一つだったので、数時間費やした以外は何も失わなかったと。
めでたしめでたし。
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