木こりの泉ガチャ
鳥野ツバサ
正直な木こりと木こりの泉
昔々ある村に、正直な木こりの青年がいた。
彼は毎日毎日森の中で木を伐り、それを売って生計を立てていた。
ある日、彼はいつも通り森の中で木を切っていたが、うっかり大きく振り上げ、その勢いで少し後ろにある泉に斧を落としてしまった。
「あぁ、一つしかない大切な斧が!」
拾えるかどうかと泉の近くによると、すぐ近くに看板が立てられている。
そこにはこう書かれていた。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ―木こりの泉ガチャ― ┃
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どうやらこの泉は「木こりの泉」と呼ばれているようである。
しかし、「ガチャ」とは何だろうか。
青年は「ガチャ」なるものを知らなかったが、ともかく今は斧だと泉を覗いたところ――
「あなたが落としたのは、この [
泉の中から女神が現れていった。
「あ、いえ、違います。」
いきなり泉から女神が出たことに驚きつつ、木こりはそう答えた。
「ならば、この [
「いえ、違います。」
「では、この [
「いえ、それも違います。」
その後もこの女神は [
(この女神...俺が斧を探しているのを知ってわざとやっているのか?)
「では、あなたが落としたのはこの [
普段あまり多くのものに接しない木こりは、それらの価値に気づかない。
しかし、絶対に落ちているはずの斧を出さない女神に堪忍袋の緒を切らした青年は、ついに言った。
「いえ、私が落としたのは鉄の斧です。」
それを聞いた女神は、
「正直なあなたには、この [N]鉄の斧 と [ULR]アルティメットソード・χ を差し上げましょう。」
そういうと女神は、木こりの落とした鉄の斧と、大きな剣を残して泉に沈んでいった。
「なんだったんだ、あの女神は...?」
しかし、女神の残した [ULR]アルティメットソード・χ はとても切れ味が良かったので、仕事が楽になり青年は重宝したと。
めでたしめでたし。
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