覆面レスラー女子高生、転生先で物理最強

明徳 四走

いざ、忍の国へ!

第1マッチ

「こんなパッと出の奴に負けるもんか…」


試合時間30分経過!試合時間30分経過!!

人で埋め尽くされたドームに実況マイクが響き渡る


その中央のリングでは、全体的にピンクを基調とし、口元は顕になった覆面で長いピンクのストレートヘアが後頭部首元からなびく選手と、口元が黒く塗られ、濃い黒のシャドーでキリッとした目元、レザースーツのようなピッチリ黒の衣服で覆われた選手が激闘を繰り広げていた


リリア・ド・ジュリーメアのジャーマンスープレックス!!


リリアと呼ばれた覆面レスラーが相手のバックを取り、そのままブリッジの用量で後ろへ放り投げる


おっと!?カウントを取らずにそのままトップロープへ行ったーー!!


そのまま勢いよくトップロープへ駆け上がり、リング外へ向けた姿勢で立ち止まり両手を広げてドーム中の視線を集めた


リリア!!リリア!!リリア!!!

リリアへの歓声がドーム中に響き渡る


フェニックス・スプラッシュ炸裂ーー!!


リリアはバック宙返りの用量で後ろへ半回転、そこから正面向きに更に一回転、その間に足を折り畳み、膝からリング中央に大の字で横たわるの相手に対して腹部目掛けて一発かます


「これで決まりだッッ」

間髪入れずリリアが相手に覆いかぶさる


すかさずレフェリーが駆け付けカウントへ

ワン!!ツー!!!!な、なんだって!?!?

…返した!!彗星の如く現れたブルーザー・エスミヤ選手!!何者なんだー!!!


「ちょ!?これで決まらないってどう言う事!?」

「ふっ…あんたの覆面、ひっぺがしてやる」

リング中央ではそんな会話が繰り広げられていた


ブルーザー選手!ここで反撃ーー!!


ブルーザーと呼ばれた選手がリリアの頭を鷲掴みにし、お辞儀させるような姿勢で両足の間に頭を挟み込みガッチリホールドする


B 級パワーボムだーー!!これは角度がデカい!!!


そのまま腹部を抱き抱えるように半回転させながら高く持ち上げ、背中から一気に地面に落とす


「グハッ」

リリア選手の嗚咽が小さく声出た


「お返しだ」

ブルーザー選手がボソッと呟くと、そのままトップロープへと駆け上がる


リリア選手グロッキーか!?動けない!!

そうこうしているうちにブルーザー選手がトップロープへーー!!何が出るんだ!?

実況も白熱してくる


ブルーザー選手はトップロープからリリア選手を見下ろす


「息の根止めてやる」


なんだこの技はー!?超人離れしすぎているーー!!


ブルーザー選手が捻りを加え、まるで新体操かのように弧を描きながら天高く飛び上がった

手は頭上の位置で、左腕は右腕の肘を掴み、右腕は掌を開き、掌底のような状態で、逆さまのまま真下のリリア選手を捉える、そのまま回転しながらリリア目掛けて落ちる


リングもヘコみそうな程の衝撃が、リリア選手の身体全体にのしかかった


今度はブルーザー選手がそのまま覆いかぶさりカウントへ

レフェリーも飛ぶ勢いで真横に向かい、片手をリングへ叩きつける


ワン!!!ツー!!!!!スリーーーーーー!!!!!

勝者はブルーザー選手!!!!何という番狂わせだーーーーーー!!!!

不敗のリリア選手!!チャンピオンベルト防衛ならず!!!!


「さぁ、その素顔見せてもらうよ」

「う、うぅ…」

リリアはもう返事をする程の力も無い


ブルーザー選手の手がリリア選手の覆面にーーーー!!ついのその素顔が露わになってしまうのか!?!?

リング外ではセコンド同士の取っ組み合いで止めに入れないーーー!!!


「ふふふ、ショータイムだ!!!」


リング中央、大の字で横たわるリリアの素顔が徐々に顕になってくる


「あぁ、私負けたんだ…」


鼻が完全に露出し、次は目元


キャーーー!!

ウォーーーーー!!!

やめろーーーー!!!


リング外の客席から悲鳴にも似たような怒号が飛び交う


「う…身体中痛いなぁ…あれ?覆面の外から見えるリングからの景色って…こんなに眩しかったんだ……眩し…眩し…眩しすぎ…」

リリアの視界には一面を覆い尽くす程の真っ白い光が、そして全身を包み込む。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る