第14話 最後の四天王 ミックスアイ★ナイトメア降臨! その力、圧倒的っ!
14-OP プロテインも飲んだことだし
「ごちそうさまでした」
ミックスアイはマッスルシェイクを最後の一滴まで飲み干すと、丁寧に両手を合わせて挨拶をした。そして席を立ち、会計を済ませようとしたときに(彼にとっての)最悪な事件が起こったのだった。
「お金が……ない」
彼は財布をひっくり返して中身を出そうとしたが、小銭が一枚も落ちてこなかったのだ。慌ててポケットの中をさぐろうとしたが、彼が身に纏っているのは破れた一枚布なのでポケットなどあるはずもない。そうか! さっきたこ焼きやら焼き鳥やら食べまくったからか! と自分で勝手に納得した。
「えっと……」
会計担当の生徒はどうしていいかわからなかった。
救世主のコスプレをしたおじさんの無銭飲食。そんなの想定外だった。するとそこに、様子がおかしいと気付いた学級委員長の悠花が駆けつけた。
「どうしたの? モブくん」
「委員長! こ、この人……お金を持っていないって」
この人と指差す先にはミックスアイ★ナイトメアが立っていて、申し訳なさそうな表情をしていた。悠花も一瞬困ってしまったが、そんな顔をされたら助けないわけにはいかないじゃない! と自分の財布を取り出し「今回だけですよ、私が代わりに払っておきますから」と優しく笑顔で話しかけた。
つう、とミックスアイの瞳から一筋の涙が流れ落ちた。
「なんと優しいお嬢ちゃんだ……まるで、まるで聖母マリアのよう……」
すると彼は首にかけてあった白色のペンダントを取り外し、悠花に手渡した。
「すまない、代わりと言ってはなんだが……これは私が命の次に大切にしてきたものなんだ……受け取ってくれないか」
悠花は無理やり自分の手に渡されたそれが何なのか、すぐにわかった。これまでに四天王を倒した時に入手したあのペンダントだ。
ということはつまり……? はっ、と彼女がミックスアイを見ると、だんだんと彼の姿が薄くなっていき、やがて白い光の粒子になって消滅した。
「え、最後の四天王との戦い……終わり?」
悠花は白く輝くペンダントを握りしめたまま、呆然とその場に立ち尽くした。
【魔法少女マジカル☆ドリーマーズ 主題歌】
夢を守って! マジカル☆ドリーマーズ
歌:M and W
どんなにつらいときでも 夢は逃げださないから
あきらめないで そんなときは 助けに行くよ マジカル☆ドリーマーズ
朝日が眩しい 今日も素敵な一日 始まる気がするよ
楽しい出来事が 私たちを待っている
<RAP>
いつの間にか忘れかけていた 空見上げれば虹かかっていた
夢は叶えるためにあるんだよ 雨は必ずいつかやむんだよ
夢を夢のままで 終わらせないで
君は君のままで 変わらないで
</RAP>
あと一歩先に広がる未来 勇気の魔法かけてあげるよ
どんなに涙流れても 夢は離れないから
忘れないで そんなときは 思い出してね マジカル☆ドリーマーズ
忘れないで どんなときも 君の味方 マジカル☆ドリーマーズ
この番組は「夢見丘高等学校二年三組魔法少女カフェ」の提供でお送りいたします。
【コマーシャル】
悠花「みなさんこんにちは! 私たちは夢見丘高等学校二年三組です!」
李紗「この度私たちは、文化祭で魔法少女カフェを開くことになりました!」
真弥「みんなで魔法少女になり切って楽しいカフェを開きます!」
モブ1「メニューも魔法にちなんだかわいらしい名前になっていますので、ぜひお越しください!」
モブ2「夢見丘文化祭は地域に開かれたお祭りです。今度の木曜日、午前九時スタートです!」
みんな「皆さんのご来店、お待ちしています!」
蝶介「……待ってるぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます