10-ED 次回予告

 またまたここはマジカル王国のとある洞窟の中。


 夢喰いが復活のために着々と力を蓄えているところである。人間界ではドリームイーターも出現しなくなったし、四天王もすでに二人やられているので全くと言っていいほど夢を奪うことができていない。


 だが、四天王たちはちゃんと仕事をしているのだ。マジカル王国の存在する魔法界の他の国やこの話には出てこないいろいろな世界の人々の夢を奪っているのである。



「ただいまぁ、天空王国の夢……全部奪ってきましたよー」



 異空間魔法の渦の中心からクリスタル★ナイトメアが戻ってきた。体に傷一つなく、服装も全く乱れていないことから、圧倒的強さで抵抗する天空王国を蹴散らしてきたことが伺えた。


「遅かったな……我はすでに海底王国を滅ぼしてきたぞ……ゴホッ」



 ミックスアイ★ナイトメアは洞窟内で自分の後光(のための電飾)の手入れをしていた。どうやら海底王国に後光セットを持ち込んだせいで、明かりがつかなくなってしまったようだった。



「ほら、だから言ったじゃない『後光は海に持っていくな』って。もう使い物にならないんじゃないの?」呆れ顔でクリスタルが言った。

「……ママに修理してもらおう」誰にも聞き取れないくらいの小さな声で、ミックスアイは呟いた。



「……センチュリーまでもがやられた」



 突然洞窟の奥から夢喰いの声が響いた。その声は悲しみよりも怒りの感情のほうが強い気がした。

 人間界でのみ、夢を集めることに失敗しているのだ。おまけに洗脳していたマーヤも始末することができずに、相手側についてしまったことが気に入らないらしい。



「いったいどういうことだ! お前らはこの私が作り上げた四天王なのだぞ!」



 声を荒げる夢喰いに恐れおののき、クリスタルとミックスアイは夢食いの元へ駆け寄る。そして気をつけをして、深く頭を下げた。その姿勢のまま、クリスタルが言う。


「センチュリーは非情に慣れないところが弱さでもありました……あとは私たち二人にお任せください。必ずマジカル☆ドリーマーズを倒し、人間界の夢も全て奪ってみせます」


「クリスタルよ……大見得を切るからには何か策があるのだろうな……」

 夢喰いが少し落ち着きを取り戻したようだが、言葉を一つ間違えれば再び語気を荒げるだろう。クリスタルは慎重に言葉を選んで説明する。



「これまでの二人は力に頼りすぎていたのです。戦いにおいて重要なのは戦略。どんなに強い兵を集めても単調な攻めでは敵の城は落とせません」



 ほう、ならば次はお前がマジカル☆ドリーマーズとやらを倒してみせよ、という夢喰いに対して「承知いたしました」とクリスタルは力強く返事をした。


 ミックスアイは「あれ、夢喰い様この前複数で戦えって言ってたじゃん(聞こえなかったフリをしていたけど)」とか「クリスタル、お前……なんで城を落とすとかいう例え使ってんの? 私頭いいですアピールでもしているのか?」とツッコもうと思ったがやめておいた。



「じゃあ、今天空王国から帰ってきたばかりなんでぇ、一週間ぐらいお休みをもらって魔力を蓄えてから、人間界に行ってきまーす」

 そう言ってクリスタルは再び異空間魔法を使って、自分の住処へとワープして行った。


「あ、我もママに後光を修理してもらいに帰ります……」

 ミックスアイも夢喰いと二人きりの空気に耐えられそうになかったので、同様に魔法を使って自宅へと帰っていった。


「……」

 暗い洞窟に夢喰いは一人残された。




 ☆★☆




 こんにちは、城ヶ崎悠花です。みんな、今回の話は番所くんたちには絶対内緒だからね。

 え? 素直に創世期のファンだって伝えればいいじゃないって? そ、そうなんだけど……女子高生でヘビメタ好きって……引かれたりしないかな?

 ん? エターナルの格好で顔だけリューク高町のメイクにしたらいいですって?

 だめだめ! そんなのリュークに失礼だわ(といいつつもやってみたいなぁと思っている顔)


 ごほん!


 次回、「魔法少女マジカル☆ドリーマーズ」

 第11話「クリスタル★ナイトメア強襲! オーシャンとの頭脳戦!」

 は出来上がり次第、順次更新予定!

 次も必ず読んでくださいね!

 そうそう、今回からエンディングテーマが新しくなりました! ぜひ聴いてくださいね!



【魔法少女マジカル☆ドリーマーズ 新エンディングテーマ】

 悪魔の人形

 歌:マジカル☆ドリーマーズ・バンド

   ボーカル:城ヶ崎悠花

   ギター:夢野李紗

   ベース:海原秀雄

   ドラム:番所蝶介

   キーボード:夢野真弥




 誕生日に届く 神からの贈り物


 いい子にしてれば 望みのものが

 悪い子ならば 悪魔の人形が届く

 ああ 今宵もまた 悪い子がここに ああ またしても 犠牲者が一人


(オチャヲコボシタ ダケナノニ)


 枕元に  悪魔の人形 微笑んで こちらを見ている

 朝早くに 悪魔の人形 それを見つけて 少女は叫ぶ


「あ、くまのにんぎょう!」

(ワォ!)


 枕元に 悪魔の人形 頭の上のリボンは朱く

 いつもそばに 悪魔の人形 それを見た者 叫んでしまう


「あ、くまのにんぎょう!」

(カワイイ!)

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