初めて入院して思ったことを書きます
白鷺雨月
第1話人生初めての入院
あれは忘れもしない2020年八月下旬のことです。
仕事中、僕は耐えようのないだるさにみまわれました。それは立っているのがやっとというほどのものでした。
見かねた同僚が仕事を早退させてくれました。
もうろうとする意識のなか、僕は帰宅しました。
帰宅した僕はまず熱を測りました。
頭の中にあったのはもちろんコロナのことです。
仕事がら不特定多数の人間と接触するので、可能性はかなり高いものと思われました。
そして熱は36.8度。
平熱の低い僕にしては高いほうです。
体のつらさから考えて、もっとあると思いました。
晩御飯はうどんを食べたのですが、味もにおいもしっかりしました。
この当時よく言われたのが、コロナに感染すると味覚や嗅覚がなくなるということでした。
実際、コロナに感染して味覚をなくしたという人もいたようなのでそれはかなり恐れましたね。
勝手な自己判断ですがコロナではないなと思いました。
またこの当時、熱がでたら四日ほど様子をみましょうというのが一般的でした。
ごたぶんにもれず、僕もこのルールを守りました。
今思えば、こんなルールに縛られずに病院にいったら良かったと思います。
コロナには感染しませんでしたが、肺炎になったからです。
すぐに行っておけば、手術をしなければいけないほどひどくはならなかったかもしれません。
しかし、その当時の僕はたぶん風邪だろう、何日か寝ていたら治るだろうと思っていました。
その後、右の背中から胸にかけて耐え難い激痛が走り出しました。
日に日にその激痛は増し、寝ていられないほどです。
熱もついに38度を越え、その四日間は食事もろくにとれなくなりました。
たまたまもらったシャインマスカットを食べるのが精一杯。
後は熱にうなされ気絶するように眠り、背中の激痛に起こされ、また気絶に近いかたちで眠るの繰り返し。
これはまずいと思った僕はまず保健所に電話しました。
保健所に熱はあるが味覚と嗅覚もあり、咳は出ていないと言いました。
ただし、背中に激痛があると。
保健所の判断ではコロナではなさそうなので一度病院でみてもらって下さいということでした。
近所の病院に電話し、午後からの診察を受けました。
そこでレントゲンをとり、それを見せられました。
素人目にも右の肺がかなり上がっているのが見えました。あきらかに右と左の肺の大きさが違いました。
その個人病院ですぐに大きな病院に行くように言われ、紹介状とそのレントゲンを持たされました。
救急外来にまわされた僕は小さな個室で点滴を打たされ、診断結果を待っていました。
運悪く、その病院で救急の患者が相次ぎ、僕は後回しにされました。
すでにその個室に通され、三時間近く、時刻は夜の11時。
やっと僕を担当してくれていた女医さんが部屋に入ってきました。
そして告げれた病名は肺炎。
すぐに入院してくださいとのこと。
この時、僕は入院になるとは夢にも思っていなかったので持ち物は小さなトートバッグに財布とスマホだけ。
せめて一度家に帰らせてほしいと頼みました。
女医さんは本当はすぐに入院した方がいいんですけど、必ず明日きてくださいということで帰宅しました。
ふらつきながら帰宅した僕はシャワーを浴び、病院でもらった鎮痛剤を飲んで寝ました。薬が効いたのでしょう、久しぶりに熟睡とまではいきませんが、眠れました。
いやあ、睡眠って大事ですね。
翌日、朝から病院に再び行き、入院することになりました。
入院といっても二、三日だろうと勝手に思っていたのですが、担当医から告げられたのは14日間というものでした。
はっきりいって肺炎なめてました。
風邪のちょっとひどい版ぐらいなものと。
でも違いました。
肺炎、本当に大変でした。
その日から僕の入院生活が始まりました。
しかも社会はコロナ禍。
これがまたたいへんで面等なんです。
コロナでなくてもコロナ禍で入院するたいへんさを思い知らされました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます