あの日 悠梨side②(過去編)

「お前ら…悠梨に何やってんだ!」


「え、浦野くん⁉」「ち、違うの!越智さんが…」「ていうか怪我大丈夫なの⁉」


私に暴力を振るってたやつらは焦って言い逃れようとするが、京也はそんなこと意にも介さず、私の前まで(松葉杖をついて)きて、笑顔でこう言った。


「帰るぞ、悠梨。」


すると私の胸の中に、スッと温かい気持ちが浮かんだ。


心臓がうるさくなって、なぜか顔がすごく熱くて、でもすごく幸せで。


私はなんとなく分かった。


「(これが…恋…なのかな)」


これが私の初恋だった。




その後。


私は不登校になった。


私が学校に行けば、心配した京也が怪我を押して無理に来るだろう。


そんなことを京也にさせるわけにはいかない。


幸い私は成績だけは優秀だったので、京也が復活するまで家にこもることにしたのだ。


ちなみに。


京也に初恋をした私は、しばらく京也と目を合わせられなかった。


気を抜くと、ついついだらしない顔をしてしまうからだ。


京也は意味深に捉えてるようだけど、断言できることがある。


私は、京也が大好きだ。


親友としても。異性としても。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次回から本編に戻ります。

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