あの日 悠梨side①(過去編)

「お前の髪キモいんだよ!」「目とか蒼いし、バケモノかよ!」「浦野くんが怪我したのこいつのせいじゃない?」「いつもいつも浦野くんにひっついてて…絶対迷惑だよ!」


ああ、


京也が足を骨折して入院してから、毎日こうだ。


小さい時から常に隣には京也がいた。


だから他人とは違う髪や、目を持っていても何も言われなかった。


だからみんなに受け入れられてると思ってた。


――でもそれは間違いだった。


私は京也に守られていたんだ。


私が後ろ指をさされることが無いように。


でもそれは京也ありきのこと。


京也がいなくなってから、毎日校舎裏に呼び出され、暴力を受けた。


私に暴力をふるうのは女の子しかいなかったから、京也は人気者なんだなと思う。


きっと京也がいたらヒーローみたいに助けてくれるだろう。


でも、ここには京也はいない。


だから私が我慢すれば、丸く収まるんだ。


私が我慢すれば――


すると急に暴力が止まった。


みんなあちらを向いている。


そこにいたのは―――


「お前ら…悠梨に何やってんだ!!」


私の京也ヒーローだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る