第3話 アルス、ゴブリンを討伐する

「マップ展開。ゴブリン探知」


 アルスは、森に着くと魔法でマップを展開し、ゴブリンの居場所を探知魔法で探した。


「見つけた。依頼の討伐数は十匹だがこれは、三十匹はいるな」


 強化魔法を使いゴブリンの場所までもうスピードで駆け出した。


『グガガアガアガア グガア』


「ゴブリンども、五月蝿いぞ。何言っているかわかねよ」


 アルスの存在を認識したゴブリン三十匹が一斉にアルスに迫ってきた。


「クッ!!」


 アルスは、ゴブリンどもを睨んで威圧した。


『ドドドド バタン』


 迫ってきていたゴブリン三十匹は、一斉に倒れ、二度と動かない屍となった。


「これで依頼達成だな。依頼より多かったから追加報酬貰えたらラッキーだな」


 魔物が死体に群がってくると面倒なので、アルスは、ゴブリンの死体を火魔法で焼き払ってからギルドに戻った。


「おお、底辺アルスが帰ってきたぜ」


「逃げ帰ってきたんだな」


 冒険者たちが好き勝手言っているが、無視して達成報告をしに受付に向かった。


「ゴブリン十匹の討伐依頼達成したので、手続き頼む。まあ、三十匹居たので、全部倒して焼き払っておいたがな」


「討伐確認しますので、ギルドカードの提出をお願いします」


「ワハハ。嘘つくならもっとマシな嘘つけよな」


「そうだせ。ギルドカードをチェックされれば、バレるような嘘をついてどうすんだよ」


「頭のできも底辺なのかよ」


 無視して、受付嬢にギルドカードを渡した。


「ゴブリン三十匹の討伐記録の確認ができました。

 こちらが報酬になります。二十匹分の追加報酬もプラスしてあります」


 銀貨九枚か……まあまあだな。


「ゴブリン討伐は、常時依頼ですから依頼三件分として、Eランクに昇格可能ですが、いかがなさいますか?」


 昇格できるなら答えは決まっている。


「そうしてくれ」


「かしこまりました。手続きさせていただきます」


「Eランクへの昇格手続きが終わりましたので、ギルドカードをお返しします」


「どうも」


 返ってきたギルドカードは、Eランクに昇格したことにより、緑から青に変わっていた。


「嘘だろう……マジかよ。底辺スキルの奴がこんな短時間でゴブリンとはいえ、三十匹も討伐して帰ってくるなんて……」


「俺ら、酔っぱらっているのか……夢でも見ているのか……」


 実家暮らしだし、生活には困ってないが、まだ時間があるから依頼受けたいな。


「依頼は何かないか?」


「短時間で、ゴブリン三十匹も討伐してきてくれたので、また受けて貰いたいけど……常時依頼とはいえ、このペースで続けられるとFランクの受けられる依頼が減ってしまいますしね」


「確かにな。森の奥までは行ってないが、近くの森の浅目のところには、他にゴブリンの反応なかったからな」


「オークの討伐なんてどうでしょうか?

 お肉をギルドで買取りしていますし、ゴブリンより報酬は高いですよ。依頼はオーク一匹討伐で報酬は銀貨枚です」


「それにしよう。あとDランクへの昇格条件も教えてくれ」


「Dランクは、依頼達成十件、Cランクは、依頼達成三十件です」


「Cランクまで教えてくれて助かる」


「アルスさんは、すぐに昇格しちゃいそうですからね」


 ギルドを出たアルスは、探知魔法を使い、オークがいる西の森に向かった。












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る