電撃シグナル
詩乃ルチア
第1話 電撃的な出会い
この世界には、電気を帯びている人がいる。しかし、電気を帯びていると言っても、大半が静電気が起きやすいとか、家電用品が壊れやすいとかいうデメリットしかない。アニメのように操って攻撃できる人なんてほぼいない。歴史の授業で習った内容だとだいぶ前にアメリカで電気を帯びた人間の電気を強くし軍事利用できないかと考え人体実験をした。しかし、この実験が何故かバレ世間はバッシングこの実験は中止となった。この問題の騒ぎに紛れて被験者は各国に逃げたらしい。そして現代では100人に1人の割合で微弱ながら電気を帯びている人がいる。また、被験者の子孫が捜索されている。この実験があって人間には電気を帯びていることが分かったという流れだと習った。最近の子は生まれた後にすぐ帯びているか確認するらしい。じゃあ多くの人がそんなデメリットを背負って生きているのか?と疑問に思うかもしれないが、それは違う。日本が電気をほかの能力に変える装置を開発したのだ。うん、どうなってるんだ日本凄すぎるだろ。分かりやすく言うと、電気属性が炎属性になったり、水属性になったりすることだ。しかし、炎属性といっても水がぬるくなったり、水属性と言っても手がぬれ水が滴る程度だったりと便利なのか便利じゃないのか分からないしかっこいいものでもない。しかも、電気の性質によって属性が決まるので自分では決められない。たしか、炎・水・風・雷・光の五つだった気がする。現実とは残酷なもので、電気を帯びている人にも才能の有無があり実際に火が出せたり、水が出せたりなどスーパースターみたいな人も信じられないがいる。そういう人たちは特別組織ESPに加入するらしい。やっとのことこの世界の大まかな事を約700文字をかけて説明したがこのような僕も電気を帯びている側の人間だ。才能ありだと思うだろ?俺も中学二年の発電式までそう思ってた。発電式というのは電気の性質を調べ5属性のどの属性にあってるかを調べる式のことだ。この式に俺はウキウキで参加し機械に手を当てた時の事は忘れもしない。まわりの大人たちが小声で話し始め、俺の事をチラチラ見てきたり、頭に手を当ててたりした。そんな大人の一人が俺に君に合う属性はないと言ってきた。そう俺はただ不便な人になってしまったのだ。しかも、俺は普通の人よりちょっとだけ多くの電気が流れているためそれを聞いた研究者も自分も期待していただけにこの結果には全員が言葉では表せない空気になりあれは今でもトラウマだ。普通の人よりちょっと多く電気を帯びていたからちょっと期待されたため、よりガッカリされよりほかの人より不便になったのだ。発電式が始まって以来初めての無属性だったらしいが、もう興味を失っていた研究者は俺に目もくれなくなった。そして、特に何もなく現在に至るわけだ。いやいっぱいあったがそれは後で話そうと思う。こんな高校二年生を悲しんでくれ。確かに中二の頃の話を悲しんでくれてもいいが、高校二年生なのに放課後に何もなく一人で帰っている俺を悲しんでくれ。
そんなより悲しくなることを思い、
立派な理由がある!別に友達がいないわけではない。誰も聞いてない言い訳をし頑張って独りで外に出した。正直重かったが、家電を運ぶのは慣れている。すぐ壊すしな俺って。というか、今回はエントランスじゃなくていいのか、前回は壊れた家電を下のエントランスに持ってかないと運ばないとまで言われたのに。まあラッキーか、なんて思い一息つくと後ろからワッッッッ!!と驚かされまるで電車が通る橋の下にいるかのような耳になり叫んだ。
「あああああ!!!」
驚いたことにより、手に持っていたスマホに電気を流してしまった。
「あはー面白いねーお兄ちゃん!て、どしたの?」
驚かしたのは妹しかいないと予想がついたが、スマホに電気を流すことになるとは予想外だった。
「おい!
そう電源ボタンを押してもつかなくなったスマホを見ながら言った。
「あはは~ごめん。スマホ持ってるの見えなくて」
奏雨は素直に謝った。こうも素直だと怒る気もなくなる。
「まー後悔してもしょうがないしいいよ。でも、連絡取れなくて不便になるのはお前だからな」
「ありがとってそうじゃん!うわっやらなきゃよかった。すぐ連絡できないのだるすぎるよ~」
「自業自得だ。よしちょっと早いがもうご飯にしちゃうか」
「うん、そうだね。やっぱりおいしいもの食べるのが幸せだしね」
俺たちはすぐに切り替え(奏雨には反省しててほしいが)夜ご飯を食べた。俺たちは二人で暮らしている。後で話すと言ってたのをここで話そう。俺らには姉がいた。ああ、過去形ということはそう亡くなっている。俺がちょうど中学に入学するときに、持病で亡くなった。生まれつき体が弱かったのだ。なら何故両親どっちもいないのかと思うだろう、母と父は姉に一番力を入れていた。本人たちは無自覚かもしれんが俺から見たらそうだった。塾に行かせスイミングスクールも習字もやらせてた。体が弱いが死とは無関係に位置していたし、姉も気付かれないよう無理をしていた。いや休憩をする時間すら無かったのだろう。両親も気付かず、いや目を背け姉を壊した。そして罪悪感か母も壊れた。父はずっと働いて家には帰ってこない。メールなので頼みをすれば物を買ってくれたりするが何も話そうとはしない。もはや他人だ。あの日から俺の家族は壊れた。だから俺はより妹の奏雨に優しくしてしまったりする。奏雨もそれに気づいているが俺を受け止めてくれている。このように俺たち家族はギリギリで生活している。こんな暗い過去を思い出しシャワーを浴びていると姉の声が聞こえてくる。
「お姉ちゃんをたよってね」
姉である雪希の俺ら弟と妹に対する口癖だった。姉として完璧でいたかったのだろう。無茶を無理をさせすぎた。奏雨を支えなきゃな、兄として。少しブルーな気持ちでシャワーを浴び終え着替え、リビングに行くと奏雨が話しかけてきた。
「発電式ってどんな感じなの?」
「あーそっか明日発電式か。特に何もないぞ、研究者が組み立て式の機械持ってきてなんかパパッとやるだけだぞうん。言うこと聞いてれば終わる」
あまり思い出したくもない過去だから断片的に話す。
「なにそれ、何もわからないんだけど~まあいいやどうせ私もお兄ちゃんと一緒で適正なしだろうから。しかも今は普通に生活したいしね」
そう言う奏雨の目は遠くを見ていた。
~翌日~
「起きろーーーーーーーーー!」
俺は鳴るはずのないスマホの音で起床した。しかもスマホから声が聞こえた。
「は?どゆこと?」
寝起きでより頭が追い付かない。とりあえずスマホ確認する。画面は真っ暗のまんまで特に何もない。どうやら夢で何かあったんだろうと自分を納得させ学校に行く準備をした。
「お兄ちゃんー?先に家出るからね~鍵よろしく」
「ん?あれ今日何かあるんか?」
「はぁ?発電式は朝にやるんだよ?なに寝ぼけてんの、んじゃよろしくね~」
あーそういえばそうだった。発電式は朝早くやるんだった。そのせいで俺が朝からどんな気持ちになったか全く、嫌なことを思い出しちょっと嫌な気持ちになっていると
「何か指示をください」
スマホの画面がいきなりつき、質問したら答えてくれるAIのsnowが起動した。決して目をでかくしたり動物の耳をつけたりするアプリとは無関係であるので安心してくれ。何で壊れてるスマホのsnowが喋りだすのか怖いと思いながら言った。
「電源を消して」
「了解しました。スマホの電源をおとします」
よしこれで何も起こらないはずだ。てか、なんで起動するんだよ。やめてくれよ怖いよ朝から。関係ないがsnowってあんな声だったっけ?そんなどうでもいい疑問を掲げ怖い思いをしながら学校へ向かった。
学校へ行きいつも通りの席に着くと後ろから肩を叩かれた。
「ねえ快晴、私商売を始めようと思うのだけど」
朝からバカみたいな話題を振られた。振ってきたこいつの名前は
「バカなことはやめておけ。失敗する。」
「あーバカには早い事だったか説明しようと思ったけど止めようかしら、いや私は天才だからバカにも説明できるはずよ。そうよ私天才!」
いつもの光景だ。もはや疲れもしない、人生楽しそうだ。こいつはいつもこんなんだからクラスでは呼び込み君って呼ばれてるし褒められてると思っている。最強かよ、まあ暇つぶしには丁度いい。
「で、はやく説明してくれよ。HRがはじまっちまう」
「お、やっぱり気になちゃいますか。これもカリスマ性か~」
「で、話すけどみんなのお弁当を私の能力で温めるのです!そうです、全米が知っての通り私には普通の人より多くの電気を帯びているのです。そして適正属性は火、火は出せなくとも結構温められると思うのです」
「まともだ」
聞き終わった俺は思わず声に出てた。そう澪の言う通り澪は憎らしいことにちょい才能があるからこういう性格になったのだと思う。でも、革命だ。今までは変な事しか話さなかった奴がまともに考えられるなんて。
「お、君も興味あるかい?安心してくれ、君は私の助手だ君にも参加してもらうぞ」
凄いことに俺はこいつの助手なのだ。小学生の時からの付き合いで、正確に言えば関わり始めたのは高校から(お互い名前は知ってはいたが)で暇つぶしに澪の話を聞いてたらいつの間にかなっていた。こいつはこういう性格だから周りに避けられているから新しい実験的なのをするとき俺がクラスの一部に声をかけ協力をしてもらう。俺は呼び込み君の呼び込み君になっているのだ。
「1温め150円とするかのう?」
そんな明るい未来を考えていた澪は隣の席の生徒会の人に衝撃な事を言われた。いや、これは笑劇と言った方がしっくりくる。
「あのー幡本さん非常に言いにくいんですけど、明日から学校に電子レンジ使えますよ。しかも二台くらい」
知ってた。俺は澪がまともな考えに至ったことに感動していただけで俺も知っていた。しかし、チッチッチと某足の速いハリネズミの様な事をして反論をする。
「甘いな庶務よそんなこと知っとるわい。でもな弁当って電子レンジじゃ温められないんだぜ溶けちゃうからね。甘くて溶けるなんて君はチョコレートだな」
笑いながら言う。しかも君はチョコレートって別に上手くねえよ。
「いや私会計です。最近のお弁当箱は保温効果もあるし例えコンビニのお弁当を持ち込んだとしても電子レンジがあるし。しかも、この学校は学食の生徒がほとんどなのでお弁当持参する生徒はほぼいないはずですよ?」
知ってた。ほぼ学校に弁当持ってきてる奴がいないのなんて見ればわかるし、なんなら澪も学食だ。
「会計も庶務もほぼ一緒でしょ?ニアピンよニアピン。じゃ、じゃあなんで電子レンジ置くのよ!金の無駄でしょ!?私の商売はいるかもしれない人に向けてやっているのそんな大衆向けじゃないわい」
「理科の実験や家庭科室で使ってたのを買い替えるから置くのであって勿体なくはないと思いますし、しかも会計と庶務は違いますし、、、」
知ってた。澪が負けて会計の謎のスイッチを押し会計の魅力について熱く語りだすのも。澪はもう会計の話を聞かず、言う。
「は~困るよねぇこういうクレーマーは 私が儲けるのが怖いのよこいつは」
「まぁ落ち着けって俺が昨日買ったのに食い忘れたピザパンがここにあるから昼になったら温めてくれよ。もちろん金は払うから」
「なんとほら見たか会計!客は居るぞ!本当にありがとう助手よ、私の心が温まってきたわ~」
何も上手くないしうざいけど憎めないやつではあるんよな。なんて馬鹿な事をしていたら教室のドアが開いた。
「うい~お前ら座れーHR始めるぞ」
そう担任が言った瞬間、ドシンそう鈍い音と共に教室が揺れた。
「きゃああああああああ」
クラスの女子達が叫ぶ。担任がとっさに言う
「窓側の人はカーテンを閉めすぐ机の下に隠れなさい」
指示があり窓側の生徒が動き出すが、みな同じところをみて突っ立ている。
「おい、なんだよあれ」
「君達、早くしなさい!」
「いや、正常でいられるか先生見てくださいよ」
1人の生徒が指をさし急いで担任が見に行く
「な、なんだあれは、、、」
息をのみクラスに指示をする。
「お、落ち着いて。私は職員室に行ってきます。あなたたちはここで待機を、動かないでください」
逃げるようにしてクラスを出る。その時すぐクラス中が窓際に集まり外を見た。
「お、おいなんだあれ」
「こんなとこにいていいのかよ」
「あいつ一人で逃げたんじゃないのか?」
そう皆がぼやき始める。それもそうだ俺も言葉を失い冷静でいられない。大きい化け物がいや怪獣といった方が近いのか、そのなにかは近くにいたのだ。
クラス中がパニックになりみんな廊下に雪崩れのように出る。多くの生徒の叫び声や怒る声が聞こえたりカオスになっていた。そんななか冷静なやつがいた。
「みんなバカだね~ここにいた方が安全なのに」
澪がまともな事をまた言ってるだと!?そう思い振り向くと足が震えていた。もはや立てなくなっていた。いつものことで安心はしたが危ない事には変わりない。とりあえず先生たちを待とう。そう考えていると澪が言った。
「ねえあの怪獣がいるのって中学校じゃない?やばいんじゃ」
俺はその言葉にもう一度窓の外を見る。確かに中学校だ、しかも最悪なことにあれは妹の奏雨が通っている学校だった。嘘だろそう思った瞬間、おれは他のクラスメイト同様走り出していた。
「ちょっと、快晴!?あんたは助手としてピザパンの令があるんだけど!!」
そう言い澪が追いかけてくる。
「おい澪!危ないから来ない方がいい」
「何言ってんだか、君も危ないじゃないか」
「俺はいいんだ、事情がある」
「なら私も大丈夫だ。私は天才だからね。しかも、助手を守るのが私の役目だ」
「何も出来ないだろ?来たって」
「私は温めが出来る人間電子レンジだ。って君も何も出来ないじゃないか。まさか逃げるのではなくあの怪物のところに行くのか!?」
「今気付いたのかよ その能力あの怪物には効果ないだろ」
「で、でも何もできない君より私がいた方がいい」
駄目だバカに何言っても聞かない。いやバカなのは友達の声を聞かないで止まってない俺か。ごめんな澪でも、もう家族を失いたくないんだ。
昇降口につくと多くの生徒でごった返しており、先生がそれを止めようと必死になっていた。
「君もここまでだよ、学校に残ろう」
またまともなこと言ってるが無視をし走る。上手く生徒の間を抜け先生の横を通り抜けた。
「おい!そこの君止まれ!」
体格のいい先生が俺に近づいてきた。まずいなここで捕まるわけにはと思った瞬間
「わあああああああああああああああああああああ」
奇声をあげながら澪が走ってきた。その場にいる全員が固まる。もう一人の怪物がそこにいた。
「快晴!私のことはいい君は行け!」
そう言われた瞬間俺は走り出して学校を抜け出した。多くの先生が校庭へ出た澪をお行けてるのを横目に見て中学校の方に走っていった。
「ああああああ親とか偉い人に怒られるううううう」
教頭の叫びが聞こえたが聞いてないふりをしよう。
俺が走っている時声が聞こえた。それは俺を夢から追放しこの現実世界に戻した声であった。それに気づきスマホを取り出した。
「なにか困りごとですか?」
朝電源を消したはずなのに何故という疑問がわいてくるが今は関係ない。
「電源を消して」
朝と同じ様に繰り返す。今構っている暇はない。
「本当にけしますか?あなたは今困っているはずです」
予想外の答えに驚く、自我もっとるやんけとつっ込みたくなるのを押さえもう一度繰り返す。
「電源を消して」
「本当に良いですか?あなたの困っていることを言ってください」
なんだこれは、壊れたはずのスマホは喋り、化け物はでるしで何だかイラついてきた。
「早くしないと失いますよ?」
俺はイライラし立ち止まりスマホに言う。
「失いたくない!だから走ってるんだろ!なんだよ知ったようなこと言って、もう見たくないんだよ家族がいなくなるのもなった後も」
「やっと言いました。解決策があります」
「解決策?なんだそれは早く教えてくれよおい」
俺はスマホに叫んでいた。はたからみたら変人だろうが、今俺を見ている奴なんていない。
「家に帰ってください。下校です」
そう淡々と言う。しかし、家に行くと中学校からは遠ざかり助けに行くのが遅くなる。そうすればまた俺は失うことになる。だからと言ってこのまま目的地に向かっても俺に何が出来る。それこそ電子レンジだ。なら、俺は化け物とは反対方向に走り始めた。
「おい、俺はお前を信じるぞ!」
「はい。かしこまりました」
「で、家に行って何をすればいい?」
「あなたには電気がながれているはずです」
「???よくわからないが、俺には能力なんてないぞ」
「そこ右のほうが早いです。信号の規則的に今青なので」
「そ、そうなのか ありがとう」
なんだこのスマホ、俺よりここら辺に詳しいし何かを知っている。本当にこいつを信用して、、、いや今は出来ることを考え可能性が高いのがこいつだ。したがおう。10分弱走りようやくマンションのエントランスについた。
「はぁ、はぁ、、、それでそうすれば」
「部屋の前へ」
「分かった。」
あの怪物のせいかエレベーターは動いていない。あいつあんま暴れてる様子もないし町も壊してないのに電線は切りやがって。てかまずいな体力が、
「早くした方が良いでしょう」
生意気に四角い機械が言う。
「うるせえよ」
もし妹に何かあったら俺は一生後悔する。ならこんなとこで止まってられねえよ。俺は全力で階段を上った。
「おい、ついたぞ」
さすがに疲れ部屋の前に置いといた洗濯機に寄りかかる。息が荒くなり途切れ途切れになりながら言う。
「洗濯機です 洗濯機に電気を」
「は?」
これは疲れていて頭が追い付かなかったからではなく、ただ意味が分からなかった。おれはこの洗濯機に電気を流し自分で壊しているのだから。
「おや日本語がわかりませんか?あなたの電気をいいから」
「お、おう分かった」
もはや煽られても動じていられない。スマホを信じ走ったら壊れた洗濯機に電気を流せというんだ。もはや分からな過ぎてイライラしてくる。でも今はやるしかない。手のひらを洗濯機にあて集中した。洗濯機が自分の体の一部であるかのように、電気を洗濯機へ流していく。このくらいの操作なら簡単だ、普段も暴発しないよう押さえているし。だからこそ、こんな簡単なことを死体蹴りのような行動に何の意味がと思った瞬間、洗濯機が眩しく光りだした。
「!?!?なんだこれ」
「やはりあなたは能力持ちです!」
光が段々と形になっていく。その様子は魔法少女が変身をしているかのようだった。そして姿が露わになっていき、俺の前に現れる。
「ってえ!?!?な、、なんでなんで!洗濯機が女の子に!?」
「初めまして、いや丁寧に使ってくれてありがとうでした。私はあなたの快晴様のために行動します。ご指示を」
「ほへ?なんで女の子にって指示しなきゃだよな」
「あなたの電機は能力無しの役立たずじゃなくて、家電や電子機器を女の子に変換する能力だったってことです」
snowが解説役になってくれる。今やスマホも便利だな。
「快晴様ご指示を」
「ああ、中学校に行ってくれ。俺の妹を救ってくれ」
「かしこまりました。そういえば私に名前をください」
「名前か、そらまた難しいことをこんな時に そうだなーんー
「零ですか、フフッありがとうございます。」
笑った、なんか怖いけど可愛い。
「それでは快晴様行きましょう。お嬢様のもとへ」
そう言うと、零は俺の首と膝に手をのばす。
「え!な、なにこれ」
俺は女の子にお姫様抱っこされてた。
「では、まいりましょう」
「え、どこからてええええええええええええええええええええええええええええ」
五階にある俺の部屋の前から、俺をお姫様抱っこして落ちた。
「あの、ちょ零さんこれ着地は」
「問題ありません 安心してください」
零の足が地面についたその瞬間に地面が波打った。
「こ、これってまさか」
「ええ着地の瞬間足を水でまとい、着地の痛み、衝撃をなくしました。」
いや俺が聞きたかったのはそんなすごい天才の説明ではない。この子が水属性がつかえることに驚いた。そのあとの意味の分からない説明にも驚いたけども。
「それではよくつかまっていたください」
今度は何っと警戒しようとしたが遅かった。零が俺を抱えながら滑っていた。この場合滑っていたと表現するのは間違いかもしれない。さっきの零の説明みたく言えば「足の裏を水にしていき、その水の波でまるでサーフィンのようにすすんでいる」といったところだと思う。言っちゃえばローラースケートみたいなもんだと思う。
「目的地周辺につきました」
「お前はナビか!」
あっという間に到着した。まじかで見る怪物はより不気味で威圧感があった。俺一人だったら腰を抜かしているだろう。やっぱり俺は電子レンジらしい。しかし怪物は生きているのか死んでいるのか分からないくらい動いていなかった。
「零あいつは何なんだ?」
「よくわかりません。未確認の生命体です。しかし危険なことは確認できます」
「というより奏雨は無事なのか」
頼む無事であってくれと思いながら、零に運ばれ怪物の足であろう支える部分がある校庭へ入った。怪物、そいつは所謂スライムみたいな見た目をしており所々に見覚えのある大きい試験管が埋め込まれていた。まさしく怪物というのにふさわしい見た目、毒々しい見た目だった。そんな怪物を見ていると、誰かがそこにいた。そうその怪物の腕とは言えないが、そいつにとっては腕である場所に見覚えのある顔があった。見覚えどころではない、毎日顔を合わせているのだから。
「奏雨!!!」
俺がそう叫ぶ。その声に反応したのか、ぐったりしていた奏雨は目を開き俺を見た。
「お兄ちゃ、、、、、、ん?」
この時、奏雨には大好きな兄が助けに来てくれた嬉しさ、安心さと共に大量のはてなマークが頭に浮かんでいた。
(お、お兄ちゃんが美少女にお姫様抱っこされてる!?)
「待ってろ今助ける!」
「う、、うん ありがとう」
(なんだろう複雑)
奏雨は怪物ではなく兄に悩んでいた。
「快晴様どうなさいますか」
「それは答えるまでもない、あいつを倒すぞ」
「快晴様、答えています」
「うるさーい」
その突っ込みを開始の合図に零は俺を抱えながら怪物の足に突っ込んでいく。その速さはここに来た時より何倍もの速さだった。しかし、動いた敵意に反応したのか怪物が手をのばし潰そうとしてくる。でっかなんだこれこっわ。本音が漏れる。
「れれれれれ、零さん、足にぶつかりますけど?しししし、しかも手が手が来てる」
「快晴様落ち着いてください。すべて私の予想の範囲内です」
矢が的の中心を射るように、零が足に突っ込んだ。ぶつかると思い目を瞑ったが、聞こえてきたのは零の冷静な声。目を開き振り向くと、怪物の足におっきな穴が開いていた。
「言いましたでしょう?快晴様 ぶつかりません貫くのです」
「零次が来るっ」
足に穴が開いた怪物は怒ったのか、俺らにむけ無数の液体を飛ばしたくる。その数は数えきれないほどだった。まるで雨のように。しかし、零は氷の上を舞う妖精のよう次々にかわしていく。
「零今がチャンスかも!」
「
零が右腕を引き構えた瞬間、水でできたドリルが生成され、彼女はものすごい速さで怪物目掛けて飛んだ。瞬きをしただろうか、いやしていないかもしれないと瞬きさえしたか迷ってしまう速さで、最初よりさらに早く胴体に風穴を開けた。怪物の体が崩壊していく。それにより捕まっていた奏雨が落ちる。
「キャアアアアアアア」
「零、奏雨を」
「了解」
零は右手から水を出し奏雨を掴んだ。
「お兄ちゃん私怖かった」
奏雨が下りた途端言い抱き着いてきた。
「でも、来てくれるって信じてた。まさか、女の人がいっしょだとは思わなかったけど」
「はは、、これには色々と」
「奏雨様、ここにはESPはいなかったのですか?」
「10人近くいたんだけどね全員さっきの怪物に」
「零戦ってみて何かわかったか?」
「いや特に何も感じませんでした。一つわかったのはさっきの怪物は明確な敵意がなかったこと。こっちから攻撃しなければ何もしない怪物です」
「なるほど、でも奏雨が危なかったのは事実だし」
「ええ、倒したのは最善だと」
「ってお兄ちゃんと話してるけど君は誰なの?」
「私は零です。快晴様と奏雨様をお守りするものです」
「さっきはありがとう、そしてよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
「さーてと、もうちょいで三限始まるし帰るか」
「いやいや今日はもうないでしょ」
そんな怪物を倒した後の安心しきった会話をしていたら銃声が響いた。
「誰だ!?」
三人が音のほうへ向くと、ジャングルジムの上に一人の女の人が座っていた。
「そこの男かい?あの怪物を倒したのは。まあいいその場から動かない方がいいだろう、君たちの命は消えるからね。さっきの銃声きいただろ?真っ黒いもう一人の自分見てみなよ」
そう言われ俺らは自分の影を見る。その影の左胸がある地面に銃弾が撃ち込まれていた。
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