第7話 親愛を寄せて
僕がカクヨムを利用するようになった頃の話だ。多分2016年。
同じタイミングでTwitterを始めた。特に理由はない、というか、どっちもアプリのアイコンが青かったから、みたいなノリで始めた気がする。
その頃は公募がメインだったので、カクヨムの活動はあまりしていなかった。むしろ今まで足を踏み込んだことがないWeb小説について知ろうと思って入った、それがカクヨムだった。
Twitterのフォロワーさんの中から、面白そうな人を探して読んでみた。
その時に出会ったのが陽澄すずめさんだ。
当時、どういうペンネームだったかは忘れた。ただ、『楽園の子供たち』だったかな? ちょっと読んで、「これはすごい」と思った。「金を払って読むやつだ」と思った。「これが無料でいいのか?」とも思った。
それからずっと意識していた。すごい人がいる。信じられん。すばるとか、群像とか、出したら受賞もんだぞ。そう思っていた。というより、当時のすばる受賞作よりすずめさんの作品の方が面白かった(と、僕は感じた)。あの年は確か「史上最年少受賞者」とかですばるの界隈は盛り上がっていて、僕も読みはしたのだが合わなかった記憶がある。そんな折にすずめさんだ。度肝を抜かれたというか、頭をぶん殴られたというか。
去年、僕がカクヨムに戻ってみようと思ったのも、多分彼女の存在があったからだ。フォローはしていなかったが、存在はずっと知っていた。カクヨム復帰に当たり彼女がいるかどうか、ちょっと覗いてみたりもしたくらいだ。
しかしまぁ、いきなり接点を持つ必要もなかろう。
そう思って『乱歩のまなざし』を書いてみて、ぼんやりしていたらすずめさんの方からコンタクトがあった。びっくりした。「スタバで酔ってる」のくだりで笑ってもくれた。一気に親近感が湧いた。
仲良くなりたいと思った、というか、単純に物書きとして尊敬した。あんな技巧の、あんなに素敵な作品を、特に大きな報酬を得るわけでもなく、そして楽しそうに、書いている人なんてなかなかいない。ある意味、僕が理想としていた作家像だった。
それから僕は一回彼女を傷つけ、謝って関係を修復して、一応ファンを名乗らせてもらって、楽しくやっているが、僕は病気の特性上、どうしても悪いことばかり思い出す。
嫌な思いをさせてしまったこと、何度も思い返す。病気のせいでフラッシュバックがある。尊敬している人に嫌な思いをさせることほど辛いことはない。
多分、この負の側面を乗り越えるのにはもう少し時間がかかるだろうが。
推しは推せるうちに推す。僕は彼女の作品が大好きだ。
すずめさんの方はもう何とも思っていないかもしれないが、僕がこの瑕疵を乗り越えるまで、もう少し時間がかかる。
それまで、いやそれが終わっても、仲良くさせてもらえて、作品を読ませてもらえたら。
嬉しい限り。幸せな限りである。
(ちょっと重たかったかな 笑)
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