転生ハイエルフが5000年ぶりに目を覚ますとかつて栄えた文明は滅びていました……

猿のコルク

第0話 5000年ぶりの目覚め

ここは天空島の中に建てられたお城の地下深くタクヤの工房。綺麗に整頓された工房にはドラゴンの牙や何かの生き物の目、さまざまな種類の薬草、作りかけのロボットが保管されている。そんな部屋の中心にはコールドスリープ用の装置があり。今まさに中に眠っている人が目覚めようとしていた。


 プシュー

 装置が空気を放出しながら開いた。


「う、う~ん。よく寝た」

 中から腕を伸ばして凝り固まった筋肉をほぐす。目をこすりまだボーっとしていると工房に誰かが入ってきた。タクヤが視線を向けた先にはメイド服を着た水色の髪を三つ編みにした美少女が入ってきた。


「タクヤ様、おはようございます」


「おっ、久しぶり。俺ってどのぐらい寝てたっけ?」


「5000年ぐらいですね」

 彼女は5000年前にタクヤが作ったメイド型ロボットのアリス。島を丸ごと要塞化して城も建て自給自足できるように作物植えたりしたんだけど一人じゃ管理できなくて作ったのが始まり。アリスの凄いところは小さいダンジョンコアを頭脳としているから情報処理能力はスパコンレベル。さらに破壊不可能かつ魔力があれば自動修復機能が働くから半永久的に不滅の存在なんだよね。


「えっ、5000年も寝ていたの!おかしいな500年に設定していたはずなんだけど一桁間違っていたのか……」

 タクヤの技術を狙った国々がしつこく追ってきたので休まることも出来ない上に抜け駆けするなと国同士で戦争を始めちゃったから500年建てば諦めるだろうと思っていたのだが桁を間違っていたことにタクヤは驚いた。


「俺が寝ている間に地上がどうなったか知ってる?」


「申し訳ございません。ずっと上空にいたため全く分かりません」

 アリスは頭を下げて謝罪するがタクヤは気にしてないと言って頭を上げさせた。


「全然気にしてないから大丈夫。頭を上げて。でも、5000年も経っていたら流石にもう諦めているよね。久々に地上を見てみたいな~。ということで小型飛行船用意してくれない?」


「直ぐに準備いたします。それまでの間お風呂と食事をしてお待ちください」

 アリスが準備のために工房から出て行ったのでタクヤもお風呂に入りに行く。


「久々の地上か……。楽しみではあるけど前みたいにめんどくさいことに巻き込まれないよう自重しないとな」

 タクヤは久々の地上に心を躍らせながらも昔を思い出しながらお風呂に向かう。

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